浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



そば・神田まつや

4261号

1月16日(月)第一食

東京下町の老舗そばや。
浅草のあそこも、上野のあそこも、
流行っているのかもしれぬが、最近は、私は
どうも行く気がしない。お気付きかもしれぬが。

味ではない。
二軒、内容は違うが、居心地。
私の場合、そばやというのは、居心地の方を
優先するかもしれぬ。
東京のそばやのよきスタイルが失われている。
不愉快な思いをすればどんなにうまくとも
二度とくるか、と思う。

まあ、時代、世の中、来る客によって
大老舗も変わっていってしまうのであろう。
私が既に時代にずれているのかもしれぬ。
どちらにしても残念なことではあるが。

唯一、ここだけかもしれぬ。
神田[まつや]

変わらず居心地がよいのは。

言わずと知れた、池波正太郎レシピ。
超有名店にしたのは、先生であろう。

昼夜通し営業、ご飯ものがある。
先生はこれを条件に挙げていた。
下町のそばやは、皆こうであったと。
庶民派というのか、敷居が低いというのか。

自転車でたどり着いたのは、15時少し前。
先生もそう言っていたが、私のような者は
混まない時刻にこなくてはいけない。

右側の硝子格子から入る。
ここは一方通行。右から入り、左から出る。

お姐さんが、入ってすぐの空いた席へ案内
してくれる。

お酒お燗。はい。

聞き返されなかった。
これでなくてはいけない。

肴は、ここは焼鳥。
それから、品書きを見て、鴨南。

最近はぬる燗ということにしていると書いたが
今日は、ただ、お燗といってみたのである。
ここであれば、お燗というと、熱燗ですね、
などと馬鹿なことはいわないであろう、と。

毎度書いている、熱燗問題である。
ただお燗といえばよいのである。

お燗といえば、熱くもないぬるくもない、適燗。
上燗。適正な温度がある。店はこれを出す。
熱燗というのは、湯気が出るほどの文字通り
熱いお燗のこと。
ほんとうに熱い酒を求めている人ばかりではなかろう。
蔵元でも熱燗は推奨している呑み方ではない。
熱燗が燗酒の代名詞になっているが、大間違いである。

団塊の世代あたりからであろう。
燗酒と熱燗を混同しているのは。
大人の男の勉強をしてこなかったのであろう。

常温なんというのもやめてほしい。これも野暮。
第一、まずそうである。化学品ではない。
冷(ひや)というちゃんとした言葉があったでは
ないか。冷やしたものが冷(ひや)ではない。
それは冷酒(れいしゅ)。

お客も飲食店も勉強してほしいものである。(もう遅い?)

ほぼ同時にきた。

焼鳥とお燗一合。

まず呑んでみる。
おー、やっぱり上燗。
湯気が出るほどのものではない。
わかってらっしゃる。

と、お姐さんが、おそばはもう少し後にしますか?。
よろしければ、言ってください。

酒を呑んでいる客にはこうして、時間差を付けるかどうか、
聞いてくれる。
先生の書かれていた、行き届いた、気働き、ではあるが、
これが東京の町のそばやどこでもしてくれる、
スタイルであった。私が知っている範囲でも。
今、同時に頼むと老舗でもかまわず持ってくるところは
老舗の看板を下げてほしい。
そばやというのは、単なるスタイル、習慣以上に、
落語、歌舞伎で描かれた東京の大切な文化である。

書いている通り、最近は私は呑みながらそばを
すすることにしているので、そのまま持ってきて
下さいと、頼む。

焼いた鶏と焦げ目の入った白ねぎ。
濃いめの甘辛のたれ。
そして、なぜかここは溶き辛子付き。
辛子はつけぬが、鶏もねぎも、うまい。

鴨南もきた。

アップ。

鴨肉三枚とつくね、長ねぎ、ゆずも。

ここで鴨南を食べるのは、初めてかもしれぬ。
なんであろうか、かなりうまい。

鴨の出汁がつゆにちゃんと出ており、濃厚。
香りがよい。
この温かい鴨南はけっこうな数のそばやにあるが、
このつゆはなかなかないのではなかろうか。
そばつゆにただ鴨肉が入っているだけではない。
つくねであろうか。
つくねというのは、よく出汁が出る。
意識して丁寧に作られているのではなかろうか。

ともあれ。
寒い真冬には鴨南。
まさに今であろう。
前に引用したが、鴨南は季語。

先口の鴨南蛮(かもなん)忘れ居らぬかや 高澤良一

二十日正月鴨南蛮を喰ふもよし 田中貞雄

なにかよいではないか。
燗酒一合と、鴨南で温まる。

席で勘定。
ご馳走様でした。

やっぱり、ここは居心地よし。

 

神田まつや

03-3251-1556
千代田区神田須田町1-13

 

 

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蔵前中華蕎麦麺屋上々/牛ヒレカットステーキ

今日は、ラーメンと肉の二品。

4260号

1月16日(月)第一食

蔵前中華蕎麦[麺屋上々]

近所にできていたのに行っていなかった、
鴨ラーメンの蔵前[麺屋上々]。

鴨ラーメンの店。
旧臘、初めて行ってなかなかなものであることが
わかった。
この店とは別に、他の店の鴨ラーメンというのに、
今一つの疑問を持っていた。別段、まずいわけでは
ないが、例えば、定番の蕎麦と比べると、もう一つ
合わないのでは、と。
ここのものはそれをクリアしている。

定番の塩としょうゆとを食べたわけだが、
もう一つ、青唐(辛子)というのがベーシックそうな
メニューとしてある。
これを食べてみなければ、というのが課題で
あった。

2時半までなので、2時ちょい前に到着。

青唐。

見た目は塩とほぼ同じ。
黒いナルトがポイント。
メンマ、白髪ねぎ、その上にゆず、そして
低温調理の鴨肉三枚。


麺もしょうゆ、塩と同じか。
(低加水で堅めだが、伸びやすいので注意とのこと。)

おそらくスープに青唐辛子が入っている、
のであろう。

老眼で肉眼では見えないのだが、かなり細かく切った
青唐辛子が入っている。

軽くピリッとする程度だが、味を〆ている。

前回も書いたがいかにも鴨らしいスープというのは、
中華麺になのか、もう一つ合わないと思うのである。
なにが?、というのを、なかなか言葉にできないのだが、
この合わない部分を青唐辛子の辛み、香りで
〆て、消しているのではなかろうか。

なるほど、と、膝を打つよう。やはりそういうことか。
これ、うまいラーメンであろう。

まだここには、まぜそば、つけそば、というのもある。
またこねば。


twitter

台東区蔵前3-17-3 SIビル1F


1月17日(火)第一食

ヒレカットステーキ

ハナマサで、牛ヒレカットステーキというのを
見つけた。
200gで600円。
肉自体はオーストラリア産グラスフェッドビーフ

カットステーキ!?。
だがこれ、少し前に取り寄せで、成形肉?的な
ヒレにちょいと騙された思いをしたが、
それに近いものか?。
わからぬが、買ってみようか。

付け合わせには、ズッキーニを買った。
以前やった、にんにくとパセリみじん切りで
焼いた、トリフォラーティにしようかと。
https://www.dancyotei.com/2022/july/kajibata.html

これ。

二塊にまとめてあるが、やっぱり、これ、開けると
バラバラ。切り落としというべきであろう。
ヒレからはよくこういう部分が出るものなのかも
しれない。
この値段なので、こういうこと、か。

先にズッキーニから。
ズッキーニを洗って、5mm程度にスライス。
にんにく1片、みじん切り。
パセリもみじん切り。

フライパンにオリーブオイル、ズッキーニ、
にんにく、パセリみじん切り(半分)を入れ、
ズッキーニを焼く。
炒めるのではなく、あまり動かさないで焼く
のがよいのではなかろうか。
塩。
完成させて置いておく。

フライパンにオリーブオイル。
肉を投入。

大きさがバラバラなので火の通し方に気を付けねば
ならない。
細かいものはすぐに火が入ってしまう。

火が入ったものから、順にあげる。
おおかた火が通った。
塩胡椒。

ズッキーニは仕上げに再度パセリみじん切り。
皿へ。
皿の上で肉に黒胡椒をミルで挽いてかける。

ディジョンマスタードも添える。

肉自体の味はよい。
牛の種類自体はブラックアンガスで
うまみのあるもの。
ヒレ(?)なので、柔らかい。

ただやっぱり、切り落とし状なので、
赤い部分を残して焼くような調整はなかなか
むずかしい。
全般的に火が入りすぎてしまった。

これはこれで、満足すべきか。

 

 

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タンメン 御徒町珍萬/仲御徒町富白

寒中お見舞い申し上げます。
今日は、寒い今ならでは、タンメン二本。

4259号

1月16日(月)第一食

御徒町中華[珍萬]

寒い雨。

雨だと、そう頻度は高くはないが、御徒町
町中華珍萬]。

寒いので、タンメン、で、ある。

駅近なので、バスで御徒町まで行けば便利
なのである。

家を三時頃出ると、あれ?、雨はやんでる?。

雨雲レーダーの予報ではまだ降ることになっているが
どうなのであろうか。
このままやむのか?。

いいか。
予定通り、バスでタンメンで行こう。

[珍萬]到着。

こんな時刻でもここはいつもほぼ満席。
べら棒に特徴があるわけではないが、
個性はそれなりにあって、十分うまい。
こういうチェーンではない町中華というのは、
やはり貴重なのである。数が減っている。
御徒町の駅前で場所もよい。

私の住む元浅草界隈でも小島町の[幸楽]、
浅草通り沿いの[紅楽]がある。
それでもある方であろう。
以前は私の憶えている範囲でももう数軒はあった。

路麺、町の個人営業の立ち喰いそばもそうだが
一軒閉じ、一軒閉じ、でどんどん減っている。
かけそば300円台で立ち居食いそばは利益率という
意味ではかなりきつかろう。
新規開店もなくはないが、値段設定はちょい高くなっている。
町中華はどんなものなのであろうか。
お客が入ればそうわるくはないのでは、
なかろうか。[幸楽]にしても[紅楽]に
しても営業時間にはお客は切れない。
流行っていれば町中華はそこそこなのでは
なかろうか。
チェーンではない町中華の新規開店というのは、
ないのであろうか。
若い料理人には魅力がないのか。
なんでもないチャーハンに中華丼、餃子、焼きそば
ラーメン、タンメンでよいのである。
街には、町中華は必要だと思うのだが。

ともあれ。[珍萬]のタンメン。

アップ。

澄んだ塩味のスープに野菜炒め。
まったく定番のタンメン。
清湯スープに炒めた野菜を入れて軽く煮て
ゆでた麺に掛けたもの。
ちょっと胡麻油も香る。
とてもノーマルなタンメン。

寒い時には、ラーメンでもよいが、なぜであろうか、
タンメンの方がより温まるように感じる。

結局、雨はもう降らないようである。

台東区上野3-28-10
03-3831-8801


1月17日(火)第一食

タンメン・仲御徒町[富白]

やっぱり寒い日が続く。
寒中なのであたり前ではある。

こう寒いと、連日になるが、
今日もやっぱりタンメン。

タンメンといえば、もう一軒。
仲御徒町の[富白]。

タンメン専門である。

日比谷線仲御徒町駅の南口からは歩ける距離だが
拙亭からだとやはり自転車でなければ行けない。

鶏豚タンメン。

アップ。

やっぱり、寒中にはタンメン!。
スープが腹に染み渡る。

タンメンは寒中の季語にならないであろうか。

豚は、スープのことかと思っていたら、
載るチャーシューのことのよう。

浅草開花楼の縮れの太麺。

[珍萬]同様のタンメン定番の作り方。
野菜炒めをスープで軽く煮て麺と合わせる。
だが、違うのはスープ。
白濁。
これが最大の特徴であろう。
濃厚ではあるが、くさみ、脂っこさ、はまったくない。

鶏といっているので、鶏ガラから煮出しているのか。
ただ、それだけでこれだけの白濁になるもので
あろうか。水分に対して鶏ガラの量がべら棒に
多いのか。
一杯でも、一般のものよりもスープの量が、
少ないように見えるし、ここはスープ切れ
ということもなくはない。
材料と手間がより掛かっている?。

意外なようだが、このチャーシューもちょっと
今時ではないかもしれない。
今、煮た、いわゆる煮豚の方が多いだろう。
煮ているのかもしれぬが、焼き豚に近い食感。
だからといって、パサパサという印象もない。
私は好きなチャーシューである。

[富白]のタンメン。
タンメンとしては進化系。
うまいタンメン、で、ある。

 

台東区台東3-14-10
03-6677-3156

 

 

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資生堂パーラー銀座本店

4258号

1月15日(日)夜

日曜日。
夕方、有楽町に用があった。

夕飯を銀座でと考えた。
銀座で夜飯を食うとなるとなんであろうか。
日曜の夜というのは、銀座のそこそこ多くの店が休み。
まあ、あまりあてもないのだが。

それで、思い付いたのがここ。
資生堂パーラー銀座本店。かなり久しぶり。

むろん、池波レシピ。

「散歩のとき何か食べたくなって」(新潮文庫)

その冒頭が、ここ「資生堂パーラー銀座本店」である。

先生が小学校を卒業し、株やの小僧になり
海軍へ行くまでのティーンの頃の思い出がすべて
ここに凝縮されている。
時代は太平洋戦争直前である。

戦争直前で、この頃の十代の若者など、今の我々など
軍国少年に育てられ、時代も暗いと思ってしまうが、
暗い部分も皆無ではないのであろうが、ほぼそんなことはない。
東京で2・26事件が起きても。
前にも書いたが株で儲けたお金をたっぷり持って
吉原へも行くが「物資がありあまっていた当時の日本の
モダン風俗で充満していた」銀座の資生堂パーラーなどへ
行っていた。

資生堂パーラーの洋食を、先生は、先生の地元である
上野浅草、下町の洋食と比べてモダンで、新鮮で清潔、
と評している。
また「全盛期の名手・美空ひばりが唄ったジャズ・
ボーカル」で「私の小説も願わくば、かくありたい」と。
定食は一か月毎夕通っても飽きさせない、と。
当時のパーラーのチーフ(料理長)の言葉として
「味は日本人の舌に合ったものを・・・そして、盛りつけは、
私の料理の根本は日本風の清らかさ…」と書いている。
清潔で清らかな飽きさせない上質なプロの仕事。

さて。
前日予約をして、予約より30分早い17時になりそう。
直前にTELは入れて置いた。
レストランは4、5階だが、階下にも案内がある。
そこで名乗る。
お待ちいたしておりました。どうぞ、4階へ。
エレベーターであがる。

また受付があって、コートを預け、テーブルに。

奥の窓際のテーブル。
ビールを頼み、私は決まっている。
もちろん、カニコロッケ(クラブクロケット)と
チキンライス。資生堂パーラーすべてが、池波レシピ、
といってよいだろうが、特に先生が好きだったのは
この二品。私も好物。

内儀(かみ)さんは「マンスリーシェフのお薦め」
福岡県糸島市産“みるくかき”のフライ。
どちらもサラダ、スープの付いたセットにしてもらおう
と頼んでみた。
すると、クロケットとカキフライをメインにした
セットでパンを付け、チキンライスは二人でシェア
なさったら、と。
なるほど。そういうことですね。
じゃ、それでお願いします。
行き届いている。

こういうことは、店の方が仕組みをよく知っているので、
あたり前のことだと思うが、木で鼻をくくったような
対応をするところのなんと多いことか。
これが、サービスということであろう。

ビールがくる。
ここは小瓶で、ウェイター氏がグラスに注いでくれる。
頼んだのはキリンラガー。
一本が一杯にぴったり注げるようになっているのだが、
一気に注ぎ切り、ちょうどよく泡を立ててピタッととめる。
瓶にまったく残さない。もの凄い技、なのである。

今日も、ぴったりととめた。
見よ、このこんもりとした堅そうな泡。

以前、ウェイター氏に凄いですね、とほめたことがあるが
いえ、たいしたことないです、と謙遜されていた。
だが、どの方でも百発百中。あふれることはむろんないし、
足らなかったりしたことも、見たことがない。
まあ、あまり褒めると、緊張されてしまう、のかもしれぬ。

パンがきた。

むろん、温かい。

スープがきた。

かぼちゃのポタージュ。
濃厚。

この皿。下に飾り皿があって、金の縁取り、上、中央に
同じく金の資生堂ロゴマーク
今は、化粧品などではこのマークはもう使っていないが
パーラーでは依然使っている。クラシックでよい。
また、清潔というキーワードがあったが、清潔かつ
ゴージャスであろう。

真打、クラブクロケット登場。

勾玉型。下に敷かれているのはトマトのソース。
クロケットは、クリームに蟹の身。
クリームは濃厚。上の緑は、揚げたパセリ。

内儀さんのカキフライ。

一つもらって、食べてみる。
小ぶりだが、なるほどクリーミー
タルタルソースは梅が香る。

食べ終わるころ、チキンライスの薬味がくる。

これ、名物といってよいだろう。他で見たことがない。
福神漬け、右らっきょ、左下が玉ねぎのしょうゆ漬け、
みかん(お馴染みのあれ)。
玉ねぎが珍しかろう。これうまい。

サラダ。

ドレッシングは和風かフレンチだが、フレンチ。
酸っぱすぎないのが、よろしい。

そして、チキンライス。

目の前で、銀の器から取り分けてくれた。

このレシピ、前に聞いた記憶があるが、鶏肉を
別にトマトソースで煮ていたか。
日本一高いチキンライスかもしれぬが、
手間はかかっているのである。

以上。

ご馳走様でした。席で会計。
二人でビールも入れて18,590円也。会計も流石。
だが味も、サービスすべて稀有なレストラン。
いつもでも続けいてほしい。

 


資生堂パーラー

 

 

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浅草・イタリア料理・ブラカリ

4257号

1月14日(土)夜

さて、土曜日。

今日は、花川戸のイタリアン[ブラカリ]。

内儀(かみ)さんが予約をしていた。

今日は一日雨もぱらつく曇り。
気温はべら棒に低くはないが、
やっぱり寒々しい。

18時半から。
タクシーで向かう。

着いて、入る。
今日は、団体さんも入って、なかなか忙しそう。

もはやお試しではないが、やっぱり
「季節のおためしコース」5280円也。

ビールをもらう。

いつもの通り、パンとチーズ。

パンとチーズのセットだがこの店の定番。
いつもたのしみにしている。
パンはパニーニだったりクリッシーニだったり
イタリアのもの。これもよい。
私はどうも、日本のふんわりパンよりも
イタリアだったりフランスだったりのパンの
方が好きである。

チーズはロディジャーノという。
調べるとイタリア産で、なかなかレアものらしい。

ふんわり削ってある。口に入れると溶けるくらい。
くせがなく、香りもよい。

パンもチーズもうまいのでバクバク食べてしまう。

前菜。

今までと皿が変わった。
以前までは、ガラスの四角いものであった。

説明をしてくれたのだが、すっかり忘れてしまった。

生野菜、その下がクレープのようなもの。
間にチーズがはさんであったか。

その右のラグビーボール型のもの、揚げた(?)
肉団子のようなもの。
アラブ料理にも似たようなものがあった記憶がある。
イタリアンとアラビアンは料理としては近いと思われる。
その下が肉のムースのようなもの。

下左が、カルパッチョ、にべという魚らしい。
からすみがのっている。
私は初めて食べたかもしれぬ。
白身だが、ちょっと生ぐさかった。

その上がチーズとトマトだがモッツアレラ
近いものだと思うが、違う名前をいっていたよう。

スープ。

トマト系の味だが、レンズ豆のスープ。
サイコロ状のものは、ソーセージを切ったもの
のよう。

パスタ。
パスタはいくつかから選べたが、カルボナーラ

サフラン入りといっていたか。
カルボナーラは自分でよく作るが、プロの作ったもの
を食べるのは久しぶりかもしれぬ。
意外にさらっとしている。
バランスだと思うが、玉子、卵黄?の量が少な目なの
かもしれない。

メイン。
肉。

鶏肉のロースト。
片方、左が、骨付。

表面はパリッと上手く焼かれて、
中は当然ふんわり。塩味の具合もよい。
そして、スモーク香。
どうしているのか。
過去にどこかで食べたことがあるよう。
流行なのか。
スモークしたものをローストするのか。

なかなかうまい。

同じく、魚。

これは、鱸(すずき)の切り身。
トマトのソース。
魚の焼き方も、うまい。

デザート。

ティラミス、フルーツ、パンナコッタ、
ガトーショコラ、ジェラート

やっぱりいつも通り定番のイタリアン
デザート。

かなり腹一杯。
年であろう、このくらいのコースの量でも
もう駄目である。
欧米人はよく食べるものである。

二人で、しめて13,970円也。

ご馳走様でした。
うまかった。

 

ブラカリ

Facebook


台東区花川戸2-9-10 根津ビル1F
03-6379-3367

 

 

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そば・浅草 平山

4256号

1月13日(金)第一食

さて、ここ、ご存知であろうか。

開店が2021年11月。1年と少し。
2023年版ミシュランピブグルマン初掲載。

私は、ほぼ毎日のように前を通っていたが
まったく知らなかった。
お洒落な入口は目立たない。

両国の名店[ほそ川]出身、とのこと。

場所は西浅草一丁目。浅草本願寺の東側の通り沿い。
浅草通りから少し入った左側。
拙亭ご近所といってもよい。
これは行ってみなければ、いけなかろう。

まず、昼。
昼のラストオーダーが14時。
直前に入る。

名入りの白くて長い麻の暖簾が掛かって、私は気付かなかったが
小さな店名のプレートがあるだけ。

入ると思いがけず明るい。
大きなテーブル一つと、窓側に二人掛けの
テーブルが二つ。
厨房はオープンでカウンター席もある。

お客は二人掛けテーブルに若めの男女が一組。

入ると、若いお兄さんが対応。
その隣のテーブルに案内される。

寒いので、温かいそばがよい。
真冬でも、ざるしか食べないという人もいるが
私は、やはり冬は温かいかけがよい。

メニュー数は多くない。
小柱のかき揚げ。

これにしようか。

やっぱり、一杯呑もう。
酒の数もいくつか。
吟醸系が多いよう。

一番安い、磯自慢(静岡)特別本醸造
やっぱりぬる燗で。

お兄さんに、なにか、もう一品薦められた。
すすめ上手。

あー、じゃっ、
そら豆の入った卯の花

酒がきた。

左のグラスは水。
お通しのようなものはないよう。

割り箸は両側が細く正目が通っているもの。

割り箸を留めているワンポイント。

店名になぜか、亀。
時折あるが、お洒落である。

卯の花

そら豆と細かく切った鶏肉であろうか。
肉も入っている。

味付けは比較的薄めで、気持ち甘め。

この味、ご主人、そばだけでなく割烹系の
修行もされていると思われる。
丁寧に作られたものとわかる。

食べ終わった頃、そばもきた。

かき揚げは小柱と三つ葉

アップ。

そばは多少太めか。

このかき揚げ、ちょっと驚きである。

むろん意図してであろうが、かき揚げの形がほぼなく
薄い衣を散らしたもの。

これ、ノーマルなかき揚げではないが、よい、と思う。

私が自分でかき揚げを揚げる場合、これよりも
衣は多少しっかりしたものだが、かき揚げの形に
こだわらず、なりゆきで散らしている。

かき揚げをそばに載せる場合、つゆに浸し、くずして
食べるものなので、これでよいのである。

特に小柱の場合、小さいのでしっかりした衣で
包んでしまうと、小柱がどこにあるのか捜索しなければ
いけなくなってしまう。

かき揚げというのは、形にするもの、という
長年の常識が、料理人にも食べる方にもあるが、
目から鱗、かもしれない。

ともあれ。
つゆは、下町浅草界隈のしょうゆの濃さと比べると、
多少薄めに感じるが、一般的なレベルであろう。

うまかった。
ご馳走様でした。
勘定をして、出る。

以前、趣味そば、という言葉を私は使っていた。
町のそばや、藪、砂場などの老舗系など、従来の
東京のそばやに対して脱サラだったり、自己流で
そば打ちを研究して店を開いた、それなりにこだわった
一群のそばやのこと。
料理人の修行をちゃんとしていない。あるいは、
そういった店で働いで独立した、というところ。
むろん、ちゃんとしたところもあるのだが、
千差万別。信者のようなお客もいるが、理屈ばかりで
客商売として首をひねるところもあった。
こういったところ、あまり居心地もよくないので
私は長く近付かないようにしてきた。

やはり、最近、大きく変わってきたようである。
そばだけでなく、割烹だったり和食の修行も
ちゃんとしているところが増えている。
和食の修行をちゃんとしている方は、接客、
お客への対応もちゃんとしている。
またそば以外の肴もむろんしっかりと作られている。

居心地がよく、うまければなんの問題もない。

ただ、そばやなのか?。従来のそばやではない。
居酒屋でもない、そば割烹?。
私自信はまだそのポジショニングにちょいとした
戸惑いがあるのだが、ご近所である、ちょいちょい
これる。愉しみではある。

 

食べログ公式

03-5830-6857
台東区西浅草1-3-14

 

 

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秋葉原麺屋武蔵巌虎/浅草雷門そば尾張屋本店

さて、ちょいと妙な組み合わせだが
ラーメンとそば、二軒。

4255号

1月9日(月)成人の日 第一食

秋葉原麺屋武蔵巌虎]

数ある、麺屋武蔵系列の一つ。
巌虎で、イワトラと読ませている。

秋葉原の西側、総武線の高架の南。
昌平坂の通り沿い北側。
住所でいうと外神田一丁目。

前から知っていたが、入ったことはなかった。
駅からも遠く、あまりよい場所でもなかろう。
今日はどんなものかちょいとのぞいてみる気になった。
麺屋武蔵系というのは、御徒町の[武骨]にはよく行くが
味は気に入っている。

秋葉原も成人の日でなかなかの人出。
3時前だが、ほぼ満席のよう。
三角形の店でカウンターだけの狭い店内。

つけ麺が看板のようだが、寒いので貼り紙の
出ていた味噌ラーメンにしてみた。

これ。

チャーシュー、もやし、メンマ、みじん切りの
にんにく。

アップ。

麺は驚き。
ちょい平たい極太麺。
これだけ太い麺というのも珍しかろう。
なぜであろうか。太い麺というのは魅力的である。

スープ。
うーん、なんであろうか、これ。
かなり濃いのだが、どうもエビカニのミソの
出汁ではなかろうか。
味噌といっているが、味噌らしさは抑えている。
ミソなので、ちょいと生ぐささもなくはないが、
クセになる味かもしれぬ。

ここはメニューが頻繁に変わるようなのだが、
この味噌も定番のものではないよう。
実験的、かもしれぬ。

御徒町の[武骨]はほぼメニューは変わって
いないと思うが、ここはちょいとおもしろい
かもしれぬ。
同じ麺屋武蔵でもどういう違いがあるのであろうか。

ともあれ。
ちょいと遠いが、またこよう。

麺屋武蔵巌虎

03-3256-0634
千代田区外神田1-3-9 木倉ビル 1F


1月10日(火)第一食

浅草雷門・そば[尾張屋本店]

さて、今日は、そば。

相変らず寒い。
やはり温かいもの。
浅草雷門の[尾張屋本店]。

秋の松茸土瓶蒸し以来。
ちょっと久しぶり。
いや、書いていないだけで、きている、か。

時刻は15時すぎ。
パラパラとあいている。
左壁側、荷風先生の写真の斜め前の二人掛け席が
開いていた。
まあ、なんということもないのだが、そこはかとなく
ラッキーに感じてしまう。

一杯やって、上天そば、で、ある。

肴はなんにしようか。
月見いもだ。

酒はぬる燗一合。
熱燗論争は、いい加減うんざりしたので、
最近はもう最初から、ぬる燗ということにしている。

きた。

酒を猪口についで、まず一口。

月見いもとは、とろろに生玉子の黄身。
わさびともみ海苔。
この色のコントラストが美しい。

また、ちいさなしょうゆ差しがよい。

しょうゆをたらして、よくかき混ぜて、すする。

上天そばもくる。

あえて、酒とずらさないで頼んでいる。
最近、呑みながらそばを手繰るのも気に入っている。

伸びてしまうので、そばだけ先に。

天ぬき状態の特大海老天とつゆ。
とろろも流し込みながら、呑む。

充実。

ご馳走様でした。

 

台東区浅草1-7-1
03-3845-4500

 

 

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