浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



三ノ輪ラーメン屋トイボックス

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3886号

6月30日(水)第一食

ご覧になった方もあるかもしれぬが、TVの
東京のワンタン麺の特集で取り上げられていた。

三ノ輪・ラーメン屋[トイ・ボックス]。

“ラーメン屋”という表記は普通私は使わないのだが
これは、この店自らの名乗りなので、そのまま使う。

有名店?。
いや、超有名店、といってよいのだろう。

ワンタンと聞くと食べてみなければ、いけなかろう。 
ラーメンもさることながら、ワンタンは好物。
今はワンタン麺を出すところはだいぶ増えたが、
以前は珍しく、あれば必ず頼んでいたものである。

[トイ・ボックス]私は名前を聞いたことがある程度。
昨日今日できたのではないのではなかろうか。
調べると、開業は2013年で10年近くなる。

三ノ輪というのは、自転車で行けないことはないが
私の住む元浅草からはそこそこ離れている。
日常的にぶらぶらするところではない。

三ノ輪は23区で最も狭い台東区でも北端。
おまけに、というべきか、この店の住所は
昭和通りの西側なので台東区三ノ輪ではなく、
荒川区東日暮里になる。

昼は15時までの営業のよう。
14時頃自転車で出る。

真っ直ぐに左衛門橋通りを北上し、昭和通りに出て
さらに北上。金太郎飴の前を通り、明治通り
大関横丁交差点。渡って、北へ。

距離はそこそこあるのだが、三ノ輪までは
坂もなく、20分はかからない。

常磐線のガードの直近。
思いがけなく小さな店。

列はないが、入るとこんな時刻でも満席。
TVの影響もあろうが、さすが。

入ったところの券売機で、メインであろう
ワンタン醤油ラーメン、1,000円也を購入。
一度外に出て待つ。

1,000円はちょい高い印象だが、まあ、
ない値段ではないだろう。

すぐに出る人があり、入る。

“く”の字型のカウンター。
その向こうは調理場だが、四畳半もないかろう。
かなり狭い。

ご主人は白髪の短髪に四角い顔。
ちょっと強面(こわもて)の印象。
若い補助一人に、同じく外一人。

やや待って、きた。
ワンタン醤油ラーメン。

ワンタンよりも先に、大きなチャーシューが
目に入る。
この色は、低温調理系か。
メンマも最近増えたが長いもの。
ちょい、余談だが、この長いメンマはなんであろうか。
映(ば)え、以外には意図を考え付かない。
短い一口の方が食べやすかろう。

麺。

平打ちストレート。

ワンタンはちょっと隠れてしまっているが、
向こう側。

これ。

食べてみる。

麺はちょっと柔らかめか。
スープは鶏と水のみ、という。
魚介はおろか野菜なども入れていないということか。

まあ、好みなのであろうが、ちょっと
おもい、もたっとした、感じ。

そして、テーマのワンタン。

ふむふむ、これは、これは!。
なるほど、これはすごいかもしれぬ。

番組ホスト氏も強調していたが、ワンタンというのは
具、ではなく、皮である、と。
私は、具と皮、どちらも否定しないが、
具の方にどうしても注意が行きがちだが、
皮も大いに大切。

食感である。
なめらかで、実際の薄さなのか、わからぬが、
かなり薄く感じる。そして、つるみ。
まさに、そのまま呑み込める。

これは、なかなか他にはないワンタン。
生姜の効いた具もちゃんと存在感があるのだが、
皮は特筆すべき、であろう。

ご馳走様でした。

さて、三ノ輪[トイ・ボックス]。
知らなかったがミシュランピブグルマンであった。
これも昨日今日ではなく、掲載複数年なのであろう。

これを聞いて食べるのと、知らないで食べるのと
多少の違いがあるのかもしれない。

もちろん、ミシュランがすべてではない。
多少の趣味性、偏りは、感じなくもない。
ただ、もちろん無視はできなかろう。

そんなことを含めて、ここのワンタン醤油ラーメン、
どう考えるか。

書いたように、今回の番組テーマのワンタンは
流石の出来栄え。特に皮は他では食べられないもの
であることは間違いない。

ただ、やはりスープ。
ミシュランにはワンタンをフューチャーした
わけではなくラーメンとして掲載されているのだろう。
そういう観点でちょっと厳しくみてもよいだろう。
私の好みとしては、前記のように、もう一つ。
もちろん、標準よりもはるかにうまいが。

ごく近所にあれば通いたい。しかし、ワンタンだけで
自転車をゴキゴキ漕いでここ目指してもう一度きたいか
と聞かれれば、ちょっと考えてしまう。

 

トイ・ボックス


荒川区東日暮里1-1-3
03-6458-3664

 

 

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天ぷら蔵前いせや/中華浅草橋水新菜館/下足ぬた

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さて、今日は三本。

3885号

6月27日(日)第二食

天ぷら蔵前[いせや]。
もうお馴染みであろう。

吉原大門前、日本堤、土手の[伊勢屋]の分かれ。

ここは春日通りと新堀通りの交差点そばで
蔵前四丁目。私の住む元浅草の斜向かいという
位置関係。端っこだが蔵前で間違いはない。
それでも私はちょっと違和感がある。
先日、蔵前という地名について考えてみた。

大正時代の関東大震災後の町名変更でこの界隈広く
蔵前になっているわけである。
それ以前の明治期には、おそらく蔵前という地名・
町名は、御蔵前片町という江戸からの小さな町に、
旧幕府の米蔵の南端部分の町名でしかなかったはず。
大正以前のこのあたりはというと栄久町。
今もこの旧町で町内会が営まれお祭りの
参加単位でもある。栄久町までは私達と同様に
鳥越神社の氏子になる。なんとなく、お仲間感が
あるのである。

つまり、今蔵前でも三筋寄りの西側と
隅田川に接している東側とでな~んとなく違う感じ
なのである。

閑話休題

今日は内儀(かみ)さんの希望。

夕方TELをして、内儀さんが取りに行った。

内儀さんは、ここオリジナルの甘辛のかき揚げや
海老天を食パンにはさんだ、天サンドが食べたかった
ようなのだが、さすがに当日ではだめであったよう。

ご飯ななしで、天ぷらだけ。

箱入り。

穴子天、小柱と芝海老のかき揚げ。

大根をおろし、おくらのおひたし。

天つゆもつけてくれた。
まだ、温かい。

これが、江戸前の天ぷら、で、ある。


台東区蔵前4丁目37-9
03-3866-5870


6月27日(日)第二食

中華浅草橋[水新菜館]。

昼、浅草橋方面。
ちょっと別のあてがあったのだが、そこに入れず、
お馴染みの[水新菜館]

最近、あんかけ焼きそばで再ブレイク?。
3時頃なのだが、大賑わい。

やっぱり、あんかけ焼きそば。

特別うまいあんかけ焼きそばだが、
ここ、やっぱり“町中華”なのである。
この味。
ちょっと濃いめの甘辛しょうゆ味。
酢をかけまわして、食べる。
麺の焦がし加減もよい。
ただ、決して、野菜も含めて上品で絶妙な炒め具合、
ということではない。

以前は、水餃子、焼売など点心類だったり
他のバリエーションも多かったようにも思われるが
なんだか、この“町中華”で再定着するのか。


03-3861-0577
台東区浅草橋2-1-1


下足ぬた

浅草ロックスの西友で、するめいか下足を
買ってきた。

福井県産。
丸のままのものもあったのだが、
さばくのも面倒なので、下足、えんぺら付き。

なににしようかと思ったのかというと、ぬた。
ちょっと久しぶりかもしれぬ。

軽くボイルし、急冷。ざるにあげておく。

ねぎは、5cm程度の長さに切り、さらに縦に半分。
これをほぐす。
そして、中心部など熱の通りにくいところと
薄い部分とに分ける。

丼鉢にポットの熱湯を入れ分けたねぎを入れ、
レンジ加熱。10秒、20秒。
熱の入りすぎは厳に慎まねばならない。
手で触って様子を見ながら、よいものから
冷水へ入れ、急冷。

ざるにあげ、さらにペーパータオルで
よく水分を取る。

酢味噌は、辛子酢味噌がよろしかろう。
西京味噌に和辛子、酢。

皿に盛り付け、出来上がり。

右は小松菜。軽くしょうゆで煮たもの。

するめいか下足のぬた。

こんなものだが、よい酒の肴、で、ある。

?

 

 

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ラムチョップのカツレツ

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3884号

6月26日(土)第二食

さて、ラムチョップ、で、ある。

これは内儀(かみ)さんの希望。
時に、ラムが食べたくなるようである。

ラムチョップとなると、いろいろあるが、
やっぱりカツレツが一番うまいのではなかろうか。

1月に作った。

レシピはサッポロビールのサイト。
どのくらい確からしいのかわからぬが、
うまくできた。

ひよこ豆のペーストフンムス付き。
これも、アラブっぽくてよかった。

これでいこう。

買い物は、内儀さん。
ラムチョップひよこ豆の水煮、パン粉は
細かいものだが、これはある。
あとは、パセリ。
にんにくとオリーブオイルのソースにする。

こんなところ。

ひよこ豆は缶で買ってきた。

以前はあたり鉢で潰したが、そこそこ
手間取った。
なかなか潰れないのである。

今回は、ミキサーを使ってみよう。

練り胡麻、これは中華の芝麻醤。

問題なかろう。
ちょっとゆるめるために、水。
モンジュース、これはチューハイ用。
オリーブオイル適量。
塩。

これでミキサーを回す。

だが、これもなかなかたいへん。
粘度が高いのか、うまく回らない。
スプーンで押し付けては、回す、を繰り返す。
なめらかになるまで。

OK。

パセリみじん切り。
にんにくはすりおろし、粉チーズ、塩少々、
オリーブオイルを加えて合わせておく。

ラムチョップ

これは松坂屋

開けると、

こう。

ラップではさんで、

瓶で叩く。
骨付きなので叩きにくい。
高く意味は、薄くして火の通りをよくする、
ということでよいのか。

こんなもんでよいかな。

塩胡椒。

両面、マスタード

ハインツのノーマルなもの。

両面に、パン粉。

OK。

フライパンを熱して、オリーブオイル。

ラムチョップを投入。
油はたっぷりがよいだろう。

上からもスプーンでオイルをかける。
表側からも熱を入れる、という意味になろうか。

いい色にして、ひっくり返す。

なかなかよさそうである。
強火で反対側もよい色にして、出来上がり。

皿へ。

フンムスは下に敷いてみた。

ビールを開けて、切って、
パセリのソースもかける。

これ、文句なく、うまい。

マスタードとパセリソース。
くさみ取りなのだが、かなりよい仕事をしている。
それから、細かいパン粉の食感も。

私の知っているラムチョップの食べ方としては、
一番うまいのではなかろうか。

パセリのソースは、パセリ、オリーブオイル、にんにく
粉チーズと合わせただけだが、かなりくせになる。

そう、全体を通して工程は多いのだが、
実はそうむずかしくはない。
パン粉の衣も、多少はがれるのだが、これは
これでもよい。
叩いているので、火が通っていないという心配も
ほぼなかろう。

特別なコツはいらない。
うまいものができる。

 

 

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浅草・弁天山美家古寿司 その2

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引き続き、浅草弁天山[美家古寿司]。

本来店の名前が[美家古寿司]で弁天山は地名。

店の裏側がもう浅草寺でその境内にある小さく
小高い丘、これが弁天山。弁天堂と浅草の時の鐘が
ある。もちろん、江戸の頃から今も。
その昔は時の鐘なので、毎正時に突かれていた。
今も突かれているのだが、さすがに明け六つだけ。

江戸の時刻だと、夜明けで、季節によって今の時刻としては違っていた。
ほぼ知られていないだろう。
騒々しい現代では、早朝でも鐘の音は近くでなければ
聞こえない。この時刻に東武の浅草駅から電車に
乗ることがあったので聞いたことがある。

ともあれ。
[美家古寿司]。

つまみをいくつかもらって、にぎりに。

カウンターではないので、お兄さんに声を掛けて
ばらばら頼む。

四つ。

上左、平目昆布〆。
その下、きす。
その右、勘八。
上、小肌。
すべてニキリが塗られている。

にぎり鮨を頼む順番というのは、まあ、好きなものを
好きな順で頼めばよいと思うのだが、
淡泊なものから頼むのが一応のセオリー、で、あろう。
ただ、同じものをいくつも頼むのは
マナー違反である。
他の客に出せなくなってしまう。

平目昆布〆。
昔の江戸前仕事を続けることを標榜している
この店の看板といってもよいだろう。

昆布〆仕事自体は江戸前に限らず、日本中にある。
特に富山、金沢など北陸では多用する。
歴史的に北陸は昆布食文化が根付いている。
名物の鰤(ぶり)、かじきなども昆布ではさんで
漬け込んだものもあり、うまい。

水分が抜け、うま味が加わる。
淡泊な白身によく施されるわけである。

きすは、酢〆。
これも珍しいかもしれぬ。江戸前仕事。
きすは今も東京湾でよく獲れていると思う。
刺身では食べないが、こうして〆て握るのが
江戸前
強く〆るところもあるが、ここは浅め。
ここでは年中ある。
うまいものである。

そうであった、このきす、背開きではなく
腹開き。やはりこの方が見栄えがよい。

勘八は、お気付きであろうか、厚く切ってある。
どうもこの店では勘八以外もサクのものは、
厚く切る。
昔からだと思うが、なぜであろうか。
今度聞いてみよう。

小肌。
小肌も江戸前鮨を代表する種であろう。
今は大きいので、半身。
強くもなく、浅くもなくちょうどよい〆具合。

次は、

上左、引き続き、光物、鰺。
上右もう少し先に頼んでおくべきであったが、
すみいか。
下左、ヅケまぐろ。
下右、海老。

鰺は酢洗いか、軽く〆ているくらい。
生とはまた違ううまさがある。

すみいかは、つまみで真子と白子を出して
いただいたが、この時期は産卵期で最も
大きく、堅くなっている。
すみいかではなく、年中柔らかいあおりいか、
などに替えるところも多い。
しかし、ここはこれを出す。
聞いたことはないが、むろんのことわかっていて
使っているはず。なにか哲学があろう。
堅いのもすみいかのうまさ、ということか。

づけまぐろは、中トロも置いているが、
やはりノーマルな赤身がうまかろう。
これほど味が変わる、あまみが出る拵えも
なかろう。

海老は内儀(かみ)さんの希望でおぼろを
はさんでもらった。
なぜか、好きなのである。

ここはただのゆで車海老ではなく、甘酢を
くぐらせている。
これが江戸前仕事。
ほんのり、ではあるが、注意をして食べると
感じる。
ぷりぷり。

もうそろそろ、腹も一杯。

玉子焼きと海苔巻。

玉子焼きは、内儀(かみ)さんの希望。
酢飯はなし。(写真を撮り忘れた。)
魚のすり身の入った、江戸前仕事の
伊達巻のような玉子焼き。

海苔巻はかんぴょう巻、さび入り。

ひもきゅう、梅きゅう、いわし巻、平目の縁側巻、、
いろんな海苔巻を食べてきたが、やっぱり
最後は、かんぴょう巻に戻ってくるか。
ただ、わさびだけは入れてもらう。
大量ではない、ちょいと。

これがうまい。

以上、ここまで。

一人、ビールを入れ10,000円ほど。
つまみが多かったか。

ともあれ、高くもなく、安くもない、
リーズナブル、で、あろう。

うまかった。

いつもご馳走様です。

 


弁天山美家古寿司

台東区浅草2-1-16
03-3844-0034

 

 

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浅草・弁天山美家古寿司

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3883号

6月25日(金)第二食

さて、金曜日。

今日は、鮨。

鮨といえば、最近はもうここ一本。

浅草弁天山の[美家古寿司]

当日TELを入れたので、テーブル席。

5時半の店からの指定。タクシーで向かう。

馬道、伝法院通りの交差点で降り、店へ。

自動ドアを開けて、店内へ。

名乗り、親方と若親方に挨拶をして奥の
テーブルへ。

座って、瓶ビール。
キリンラガー。

お通し。

右が北寄のひも。

左がおまけのすみいか下足。
上にのっている黄色いのは菊の花びらか。

いつも通り、コースではなく頼む。

まず、つまみ。
たこ。

たこを一人前を頼んだら、頭。

二人前はあるのかもしれぬ。
気を利かせてくれたよう。
おそらく、若親方。

塩、で、ある。

そして、見た通り、ゼラチン質のような部分がある。
ここ、ひょっとすると、生ぐさくなる、
のであろう。
が、さすがにそんなことはなく、おもしろい
食感で、うまい。

次は、平貝磯辺焼き

先日も書いたが、平貝は貝の中でも
好みの部類。

かなり薄く切って炙ったもの。
真ん中に添えられているのは、ゆず胡椒
お好みで、と。

食べてみたが、ゆず胡椒は、ない方がよい。
強すぎるだろう。
オーソドックスなしょうゆと海苔で。

もう一品、鰹。
鰹は、にぎりよりも刺身がよいだろう。

プロのものはさすがに違う。
あたり前であるが。

みずみずしさもさることながら、
かなり柔らかい。
しょうがと和辛子と両方出される。
和辛子がうまい。

最近、鰹の刺身がほんとうにうまい、
と、思うようになってきた。

子供の頃から親父の好物であったので
よく食卓にのぼっていたが、血なまぐさく
あまりうまいと思わなかった。
まあ、子供がうまいと思うものではなかろうが、
あまりよいものを食べていなかったのかもしれぬ。

ご存知、

目には青葉 山ほととぎす 初鰹 素堂

歌舞伎や落語の「髪結新三」にも物語の
重要なアイテムとして初鰹は出てくる。
時期は端午の節句

初鰹というのには、もうずれているようだが、
旧暦なので6月。そう違ってはいない。
ちなみに今年は6月14日であったよう。

初鰹というのは、この通り江戸っ子の大好物。
初鰹を食べるために、見栄を張った、という。

こんな血なまぐさいものを、と、
成人しても、私はほぼ理解が
できなかったのである。

原因は血合いを取らなかったから。
スーパーで買うサクにも血合いは必ず付いている。
皆さん、どうされているだろうか。
子供の頃の家で食べたものも取っていなかったのでは
なかろうか。
書いている通り、スーパーのものでも
血合いを完全に取れば十分食べられる。
取った血合いは捨ててはいない。
オリーブオイルで煮て食べている。
自家製ツナ缶、で、ある。
これににんにくを入れればアヒージョになる。
これもうまい。

閑話休題

頼んだのつまみは、ここまで、なのだが、
もう一つ、出してくれた。

これ、なんだかおわかりになろうか。

すみいかの子。
真子と白子の両方。

夏前の今、いかの産卵期。
湯通ししたのものであろう。
やっぱり、生ぐさそうだが、むろん
そんなことはない。
ちょいとした珍味。

 

つづく

 


弁天山美家古寿司

台東区浅草2-1-16
03-3844-0034

 

 

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冷やしおろし肉そば/ペリカンカフェ/砂肝のアヒージョ

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今日は三本。

3882号

6月23日(水)第二食

冷やしおろし肉そば

今夜は、簡単にしよう。

冷蔵庫に、生そばがある。
それから豚こま切れがある。

冷やしの肉そば、で、ある。

冷やし肉南蛮。

千束に長らくあり、経営が変わり、浅草へ移転した、
[角萬]の名物、で、ある。

うどんのように太いそば。
ねぎと豚肉。
これだけであるが、これが、うまい。

冷やし肉そばにしよう。
ねぎももちろん、ある。

同じく冷蔵庫に、大根、それから、天かすもある。

おろしにするか。
あるいは、天かすも入れるか。

どちらも入れる。

[角萬]にはおろしや天かすを入れるものは
なかったとは思うのだが、どちらも十分成立は
しそうである。

あまり入れすぎもいけなかろう。
大根は使い切りたい、というのあって、
おろしのみの追加にしよう。

そばつゆ(桃屋のつゆ)に少し水を入れて、
煮立てて豚こま切れ、火が通ったら、ねぎも。
ねぎにも火が通ったら置いておく。

別の鍋に湯をわかす。
わくまでに大根の皮をむいて、おろす。

生そばをゆでて、水洗い。
丼に、そば、肉とねぎの入ったつゆをかけ、
おろしものせる。

出来上がり。

冷やしおろし肉そば。

こんなものが、うまい、のである。


6月24日(木)第一食

ペリカンカフェ

さて、三回目。

先日書いた寿町[ペリカンカフェ]、で、ある。

サンドイッチは、一週間に一回は食べたくなる。
書いている通り、コンビニのもので十分なのだが、
またまた[ペリカンカフェ]にきてみた。
15時頃。やはりほぼ満席。

今日は、イタリア風、で、あったか、
ツナサンド。

ハムカツや玉子ではなく、
これは、いかにもカフェっぽい。

パンはやっぱりトースト。

食べてみると、ツナが入っているのだろうが、
かぼちゃ、トマトであろうか、なにか野菜の
ペースト状のものとツナを和えてある。
オリーブオイルの風味も、ちょっとする。

お洒落。

ペリカンカフェ

台東区寿4-7-4
03-6231-7636

6月24日(木)第二食

砂肝のアヒージョ

浅草ロックスの西友
今日はなにかモツのようなものはないかと、探してみた。
豚、牛のいわゆるホルモンのようなものは、これが
意外にない。置かない方針か。
見つけたのは、鶏の砂肝。
皮をむいてあると書いてある。

買ってみようか。
で、なににするか。

アヒージョはどうであろうか。
砂肝のオイル漬けというのがあるが、油との相性はよいだろう。
フランスパンも冷蔵庫にあった。

にんにく一片を細かく切る。
土鍋にオリーブオイルを熱し、にんにくの半分。
先に入れて、これは焦がす。

いい色になってきたら、砂肝と残りのにんにくを入れ、
揚げ煮に。
味付けは塩とニョクマム
ニョクマムは、うまみ。

フランスパンも焼く。

仕上げに乾燥パセリ。
出来上がり。

ビールを開けて、食べる。

皮をむいた砂肝というのは、初めて食べた
かもしれぬ。
ちょっと柔らかくなって、よい。

ちょっと歯応えのあるモツというのも、
アヒージョには合っている。
うまくできた。
ハツ、ガツのようなものでもよいかもしれぬ。

今日は成功。

 

 

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煮穴子丼

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3881号

6月21日(月)第二食

さて、今日は、穴子を煮て、
酢飯の丼、ちらし寿司にしようかと
考えた。

毎度書いているが、赤酢の酢飯で
にぎり鮨をにぎっている。
これが、毎回少しずつ余っている。

その都度、ラップに包んで冷凍している
のである。

思い出したように食べているが、
これを使おうということである。

また、赤酢の冷凍酢飯はにぎりには難しそうだが、
丼であれば問題ない。
そして、赤酢の酢飯は甘辛のたれをかける煮穴子
のようなものによく合う。

吉池で穴子を購入。

これ。

対馬産。
ちいさいもので、400円ほど。いつもこんなものである。

もう出回っているのは、対馬産のみになって
しまっている。

もちろん、穴子というのは江戸前を代表する
魚といってよい。
にぎり鮨、天ぷらでも主要なメンバーである。

江戸前東京湾産の穴子というのは、
ほとんど出回っていない。
釣をする人もいるようで、いないことはないと
思うのだが、流通するほどは獲れないということ
なのであろう。
以前は横浜八景島小柴のものが有名であったが
数年前から漁獲量は落ちていることも報道されている。

これ、東京湾に限らない。
日本中で、穴子というのは、獲れなくなっている。

東北地方から九州まで、日本各地の沿岸に穴子はいた。
江戸前に限らず、各地の名物になっていた。
三陸、大阪湾、和歌山、明石、瀬戸内の広島宮島
などは特に有名であろう。

これら、軒並み獲れなくなっている。

各産地では周知のことだと思うのだが、
全国どこも押しなべて獲れないというのは、
あまり知られていないのではなかろうか。

それで、皆、対馬産。
穴子の輸入ものは、韓国産。
獲れているところは、ほぼ同じではなかろうか。

各地で馴染深い魚であった穴子が獲れない。
これは危機的状況ではなかろうか。

日本のうなぎが絶滅に瀕しているのは
知られているが、穴子もこれに近いのでは
なかろうか。

原因はなんなのか。
獲りすぎ、環境の悪化?。本当のところは
わかっているのであろうか。

穴子も、うなぎと同様に、遥か南方で生まれ、
黒潮に乗って近海にたどり着き、うなぎは
川に上るが、穴子はそのまま近海に住み着き、育つ、
そんなことを聞いた覚えがある。(合っていようか。)
ただやはり、実際の生態はうなぎ同様、あまり
確かなことは分かっていない、とも聞く。

穴子の子供は、のれそれ、などといって、珍味として
鮨やなどで出ることがあるが、あれも食べている
場合ではないのではなかろうか。
東京湾では、小さいものは獲らない配慮は始めている
ようであるが。

江戸前鮨、天ぷらとして、欠かせない魚である。
いなくなってしまっては、困る。大切な大切な
魚であるはず。

SDGsエスディージーズ)を持ち出すまでもなく
対馬産しか流通していない状況は、最早日本の穴子漁、
穴子鮨は持続可能な状況ではなくなっている
といってよいのではなかろうか。
対馬だって、獲り尽くしてしまわないか、心配。
漁業者、流通、鮨職人、皆それぞれの立場では
わかっているのであろうが、声にしていないだけ?。

このままで、よいはずはない!、
と思うのだが、、。

まあ、そんなことだが、煮穴子

ぬるぬるを取るため、塩で揉み洗い。

くさみ、ぬるぬるが、完全に取れるまで、
数回水洗いをしながら、塩揉み。

においも確認し、よいかな。
崩れても取りやすいように、ざるに入れ、
圧力鍋へ。

水を張り、ほんの少しのしょうゆと、砂糖。

ふたをして、点火。
加熱、加圧。圧が上がってそのまま5分。
火を止め、放置調理、30分。

煮上がった。

煮汁はフライパンへ移し、冷蔵庫にストックしてある
煮詰めたタレを合わせ、もう一度煮詰める。

凍っている赤酢の酢飯を冷凍庫から出し、レンジ加熱
3分弱。(700w)

丼に盛り、もみ海苔を敷き、穴子
煮詰まったたれをかけ、もう一度、海苔。

出来上がり。

穴子丼、穴子ちらし丼。

昨日作ったなめこと豆腐の赤だし。
漬物は酒悦のしば漬け。

ビールを開けて、食べる。

ん!?。
あー、、、微かに、なまぐさい、か。
ちょっと、塩揉みが足らなかったか。
残念。

 

 

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