浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



浅草・弁天山美家古寿司 その1

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3月7日(土)第二食

さて、土曜日。

お馴染み浅草[弁天山美家古寿司]

当日であるが、17時からカウンターで予約が取れた。

タクシーで向かう。

伝法院通りの交差点で降り、店前。

数分早く、時間調整。
このあたりも、人出はだいぶ減っている。

17時とともに、店に入る。

親方、若親方にご挨拶。

親方の前、出入り口側に掛ける。

付け場とカウンターの間の上に架かっている暖簾が変わっている。

不思議な絵が描かれており、Akira Nakao画伯のサイン入り。
若親方が「なんですかね、これ。私たちもわからないんですよ。
この暖簾はいくつかあって、時々架け替えている」とのこと。

瓶ビール、キリンを頼み、お通し。

ぽん酢しょうゆのかかった、とり貝ひも。

いつも通り、お好みで。
コースやセットもあるが、いつも同じものになってしまうので、
言って握ってもらう方がよい。

前回なかった、たこをつまみでもらう。

かなり薄く切ってある。
黒みがかった皮。
江戸前仕事がきちんとされた、たこである。

たこに続いて、いかももらってしまおう。
煮いか。ここはするめいかに決まっている。

えんぺらと身。
えんぺらの方には甘いたれがかかっている。

するめいかは堅そうだが、そんなことはまったくない。
やはり技があるのであろう。

火を通したたこ、いかは、にぎりよりもつまみの方が
私は好み、で、ある。

つまみはここまでで、にぎってもらう。
そして、お茶に。

好物の光物から。
今日は、三種。小肌、さより、きす。
全部下さい。

小肌から。

ここのにぎりは、どちらかといえば、長い。

半身でにぎっている。
皮に飾りの切れ込み。

口に放り込む。

うまい。

よい塩梅の〆具合。
ちゃんと〆てあるが、酸味はまろやか。
このくらいが私にはよい。

さより。

さよりは、今、季節である。
吉池などにもたくさん出ている。

光物に入るが、生だと白身のように淡泊。
だが、もちろんちゃんと〆てある。
これも、うまい。

そして、きす。

きすの旬はいつなのであろうか。
夏か。
だが、小肌もそうだが、年中ある。

うまい、うまい。

さいまき海老。

茹でた小型の車海老。

おぼろをはさんでもらった。

おぼろというのは、白身魚などの身をほぐして、甘く味を
付けたもの。
でんぶのようなものだが、そこまで甘くはない。
江戸前の鮨やでは手間はかかるが、今も作っている。

こうして、海老、小肌などにもはさんでにぎる。

甘酢に漬けるのが江戸前仕事であるが
さほど強くはない。
みずみずしく、ぷりぷりの食感であまい。

あまりにうまかったので、もう一回、小肌。

同じものを複数回頼むのは、ご法度であるが、
今日はよいか。
ご勘弁をいただこう。

次は、白身系。

あるのは鯛、平目の昆布〆、かじき、しまあじ
これも一通りもらうことにする。

鯛と平目から。

鯛は皮付き。

どちらも水分が程よく抜け、濃い旨味。

 


つづく

 


弁天山美家古寿司

台東区浅草2-1-16
03-3844-0034

 

 

台東二丁目・中華/とんかつ武井食堂

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3月3日(火)第一食

さて、一度書いているのだが、台東二丁目の
[武井食堂]

拙亭のある元浅草からもさほど遠くはない。

台東二丁目というのもよくわからないと思うが、
新御徒町の駅から南に長く続く、佐竹商店街
このアーケードのある商店街の南端に交わっている
東西の通りにある。
旧町名では、ここは竹町でよいのか。

佐竹商店街というのは、なん度か書いているが、
江戸期には、秋田佐竹藩の上屋敷があったところ。
もちろん、名前はこれに由来している。
明治になり武家屋敷が取り払われ、しばらくは
佐竹っ原と呼ばれる空き地であったが、その後
寄席や映画館もある盛り場になり、
今の佐竹商店街に続いている。
都心といってもよい場所でありながら、シャッター商店街
とまではいかないが、古い商店街のため閉めているところも
多いのが残念。なんとかならぬものか。

ともあれ[武井食堂]。

こちらは、佐竹商店街ではないので念のため。
商店街を出て右に曲がった向こう側。

丸に八というのが、なんであろうか。
暖簾には、中華そば、とんかつ、とある。
これもちょっと不思議。
だが、よい。味がある。

昨年の2月からお昼にくるようになり、
月に、2~3回はきている。

もっぱら、かつ丼を食べに。
私、どうもかつ丼は、かなり好き、なのである。

とんかつを看板にしているので、あるだろう
と思ってきて、もちろんあった。

これがここのかつ丼

文字通り、とんかつというメニューもあって
かつ丼でも、都度、ラードで揚げている?。

食べてみても、ラードである、という確信は
持てない。
ただ、かつ丼としては、もちろんうまい。

最近、かつ丼はラードでなければだめだ、
そばやはいけない、などと言っている人が
いるようだが、まったくなにをかいわんや。
ふざけてもらっては困る。
玉子とじのかつ丼の発祥は、早稲田のそばやである。
東京の郷土食といってもよいだろう。
そういう歴史を知らない人の言葉である。
ラードでも、ラードでなくとも、かつ丼はうまい、
のである。
まあ、もちろん個人の好みは否定はしないが。

ともあれ。

ここの壁に書かれているメニューを書き出してみよう。表記もそのまま。
とんかつ定食、串かつ、チキンかつ、鮭フライ、イカフライ、
白身魚フライ、アジフライ、かつ煮、コロッケ定食、おろしとんかつ、
ハムカツ、生姜焼、ポークソテー、ラーメン、カツ丼、からあげ丼、
親子丼、玉子丼、オムライス、ハムライス、ドライカレー、
カレーライス、カツカレー、目玉焼、オムレツ、野菜イタメ、
肉野菜イタメ、チャーハン、ソースカツ丼、ラーメン、ワンタン、
タンメン、、、やめよう。ここからは、中華の麺類が続く。
飛んで、餃子、シュウマイ、、etc.。

かなりのバリエーションである、なるほど、とんかつ&中華。

今日は、そんなかつ丼ではなく、オムライスを
食べにきた。
オムライスも、うまい、というのは聞いていた。

最近、私にはオムライスといえば、浅草の町中華[ぼたん]

であった。中華なので、ラードでケチャップライス。
これがうまい。

さて、ここはどうか。

スープ付き。

お気付きであろうか、オムライスの玉子のきれいなこと。
両端にちょっと折り目のようなものが付いている。
中華鍋だと思うのだが、どうやって焼いているのか。

スプーンを入れると、この玉子がかなり薄いことに気が付く。

そして、食べていくと、やはりこれも、ラードであろう。
こってり。

そして、これ。

お分かりになろうか。
ちょっとだけ見えている、スプーンにのっている肉。

豚であろうか、いや牛、ではなかろうか。

オムライスの中は、普通はチキンライス。
浅草の[ぼたん]もそうであった。

ラードと相まって、ずしんと、うまい。

絶対値として、というのも妙な言い方だが、
かつ丼よりも、上ではなかろうか。

基本、洋食やでは、私はオムライスはほとんど食べない。
フワトロ、よりもしっかり焼いた玉子の方が
好き、なのである。

このオムライス、流石、で、ある。

かつ丼や、にしてしまっていたのは、かなりの迂闊。

昼は、いつもお客が一杯。
もちろん、これだけメニューがあるので、
皆、様々なものを食べている。

とんかつ、洋食、中華、、、町の食堂と言っても
今どき貴重であるが、それ以上のものがある
[武井食堂]かもしれぬ。

 

 


03-3831-6267
台東区台東2-19-5 武井ビル 1F

 

 

ローストビーフ

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3月2日(月)第二食

今日は晴れた。
おまけに温かい。

学校の休校で、街には子供達が目立つ。

浅草ロックスの西友に寄る。

今日は、なにを食べよう。

肉だ。

羊、ラムチョップでもないかと思ったが、ない。

アンガスビーフ
ステーキでもないか。

肩ロース塊!。

ローストビーフにしよう。

忘れずに、ヘッド(牛脂)ももらっておく。

付け合わせは?。

春の山菜、たらの芽があった。
これをソテーしようか

帰宅。

冷蔵庫に入れずに、常温に戻すため外に置いておく。

さあ、作ろうか、と思ったのだが、まだ冷たい。

やはり塊肉を焼く場合、中心まで熱が届くには
時間がかかる。
やはり、肉の温度は上げておきたい。

レンジ200wで30秒ほど加熱。

ふむふむ、よいだろう。

フライパンを用意。
私のローストビーフはフライパンで焼く、イタリアン式。

点火し、ヘッドを入れ、肉も投入。

強火から弱火。

焦げ目がついてきたかな?

ありゃ。
この肉、塊といいながら、ちょっとほぐれている。

ひっくり返す。

肉を焼くときに、よくアロゼ、というが、
脂(油)を掛けながら、揚げ焼き?、をしていく。

私はフライパンを傾け、脂を集め、焼きたい部分を
浸しながら焼いている。

牛肉に限らず豚肉でも、ベーコン、なども、
フライパンで焼く場合は、最近はこうしている。
半ば、無意識になっているかもしれぬ。
こんがり焦げ目も付き、脂も落ち、うまく焼けると、
思っている。

不定形の塊だが、各面、こんがりとした焼き目が
ついてきた。

いいだろうか?。

串を刺して、中心の温度をみる。

ん?!。
まだ冷たい。

やはり、冷たい塊は、温めたとはいえ、中までは
温かくなっていなかった。

これ以上焼くと、表面は焼きすぎになる。

ふたをして、置いておこうか。
予熱で火を入れる。

10分ほど。

やはり、ドリップが出ている。
濃い色がそれであろう。
串を刺してみると、中も温度は上がっているよう。

念のためもう少し。
いつも時間が足りていない。

再度点火し、温度を上げ、火を止め、ふたをする。
もう10分放置。

もうよいだろう。
最後に、塩胡椒。

切ってみる。

切ると、まだ少しドリップは出るが、
そこそこよい感じだろう。

フライパンに残っている脂で、付け合わせのたらの芽も焼く。
白ワインなんぞも入れようか。
煮詰めながら、ソテー。

ちょっと食べて確認。
たらの芽というのは、硬いので、火が通っているのかどうか
わかりずらい。
OK。

盛り付け。
ハインツのマスタードを添える。

たらの芽というのは、私は初めて料理をしたかもしれぬ。
もちろん、天ぷらなどで食べたことはあるが、自分で料理する
習慣はなかった。

こうしてソテーしてもなかなかうまい。
少し、野趣があってサクサクとした食感がよい。

肝心のローストビーフ
これは、今まででは最もよくできたかもしれぬ。
肉、特に塊肉、を焼くというのは、本当に難しい。
中心部まで、適当に熱を入れる、ということ。
今日は、予熱で置いておくというのを2回やった。
よく“休ませる”というが、こういうことなのか。
今一つ、まだよくわからないのだが。

 

 

豚ぬき?

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3月2日(月)第二食

さて。

月曜日。

一日冷たい雨。

コロナ騒ぎもあって、あまり外に出たくない。

なにを食べるか。

毎度、やっている○○ぬき。
そばやで、昔からある、天ぬきやら、鴨ぬき。

天ぷらそば、かも南蛮のそば抜き。

これで酒を呑む。

簡単であるし、よいものである。

そばつゆに入れるのは、そばにあるものであれば
なんでも成立するのだろう。
そばつゆにとろろを入れたものは、吸いとろ、などといって
酒の肴にすることがある。

また、肉も鴨ではなく、例えば鶏肉。
鶏はそばにあるが、東京のそばやにはない、牛肉、
豚肉でやってもよい。

今日は、豚肉でやってみよう。

入れるものは、豚バラ。
やはり、脂の出るものが、うまい。
角切りがあったので、これ。

それから、なめこ
こんなものも、ありであろう。

三つ葉
これは欠かせない。

ぬき、自体が酒の肴なので、複数のものが入ってもよい。
油揚げなども、うまいのだが、今日はこれだけ。

作る。

小鍋に水を張り、豚バラ角切りを投入。

焼酎も入れようか。
沖縄風、豚の角煮、ラフテー
これは焼酎で煮込む。

焼酎で煮込むと、脂がさっぱりする、のである。

弱火で20分ほどでよいか。

ここに、つゆ。
いつもの通り、桃屋のつゆ。

多少、甘みが勝っているので、しょうゆを足す。

ねぎ。
これは、5cmほどの長さで、半割。

なめこは、一袋全部。

煮込んで、火を通す。

いいかな?。

三つ葉は1パック二株、全部を切って入れる。

三つ葉を入れてからは加熱は不要であろう。
予熱でよい。

ビールではなく、酒。

火鉢に火が入っているので、鉄瓶にお銚子を入れ、
燗をつける。
酒は、菊政宗

熱くもぬるくもない、上燗。

豚ぬき。

焼酎を入れて煮込むと、なんというのであろうか、
ちょっとプリっとした食感で、脂もさっぱりする。

豚バラは、スライスでもよいのだが、
角切りの方が、食べ応えが出る。

柔らかくなったねぎ、なめこもつまみながら。
また、三つ葉の香りもよい。

つゆ自体ももちろん、酒の肴。

これをお替りして、二杯。

仕上げに、そば。
これはスーパーの生そば。

凸凹はあるが、最近のスーパーで売っている生そばは
そこそこ食べられる。

茹でて、

豚のつけそば。

こんなものでも、十分に満足。

うまかった、うまかった。

 

 

赤酢の酢飯で鉄火丼

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3月1日(日)第二食

日曜日。

赤酢の酢飯で、、シリーズ。

にぎりの鮨も、ある程度、自分の好きな種は一巡した。

〆鯖、白魚、煮いか、ヅケまぐろ、いくら、鰺、鰯、鯛、煮穴子
サーモン、、、、。
貝類がないが、なん度か書いているが、好物ではないから。
もちろん、食べられないことはないし、小柱、平貝あたりは
好きな部類ではあるが。

さらに赤酢の酢飯で、巻きずし・細巻、稲荷もやった。

赤酢というのは、酢飯として、透明な酢よりも確実にうまい。
これはずっと作ってきてわかったことであるし、
だからいろいろな種でやってみたくなったのではある。

ここで少し復習をしよう。
赤酢というのは、酒粕を原料にして作られた食用酢。
以前は、透明な酢よりも廃品利用で安いものであった。
そして、江戸時代後期、江戸でにぎりずしが生まれたわけだが、
この頃、この安い赤酢から酢飯を作っていた。
今でも、江戸前を看板にしている鮨やでは、この赤酢の
酢飯を使っているところは少なくない。

純粋な透明な酢よりも、おそらくアミノ酸などの旨味成分が
多いのであろう、酢飯としてうまく、また、特に、江戸前
仕事と呼ばれるような、煮たり、〆たりした種によく合う。
こんなところが、わかってきたことである。

ちなみに、今使っているのは、これ。

岐阜の内堀醸造というところの美濃三年酢というもの。
赤酢は今はレアな製品なのだが、それでも全国でいくつか
作られてはいる。
ここのものは、中でもかなり安い。
だが、比べてみても品質、味はなんら問題なく、使っている。

と、いうことで、いささかひねり出した感じ、
ではあるが、今日は、鉄火丼

ご存知、酢飯の上にまぐろをのせた丼。
東京でいうところの“ちらしずし”をまぐろだけにしたもの。

やはり赤酢の酢飯に合うのではという仮説である。

私自身、鉄火丼は好物である。
いろいろな種をのせた、ちらしよりもよい。

最近は海鮮丼が大流行りである。
海鮮丼は、酢飯を使わないという違いがあるというが、
やはり、私は酢飯を使う、ちらしの方に一票を入れたい。

ともあれ、鉄火丼
まぐろではあるが、赤身を使うのが、値段の問題もあって
一般的であろう。
だが、これは中トロにしたい。

これは、古今亭志ん生師、で、ある。
娘の美濃部美津子氏が書かれた「志ん生の食卓」
https://amzn.to/3adPxJG

にあったと記憶している。志ん生師は、好物の煮穴子
中トロを半々のせた丼がお好みであったと。

これは実際にやってみているのだが、

片や甘辛、片やわさびじょうゆで、混ざると、いけない。
どちらも江戸っ子好みで意図はよくわかるが、
やはり別々に食べたい。

ともあれ、鉄火丼をするのなら、断然、中トロである。

吉池で、まぐろ中トロ、、だけでは値が張るので
中トロ数切れ入り2パック(各400円)と、
赤身切り落とし1パックを購入。嵩増し、で、ある。

もう一つ、細切り海苔。
海苔は、酢飯の上に敷く。

最近、和食やなどでは、ただちぎっただけのもみ海苔
ではなく、細く切った海苔の方が見栄えがよいからか、多く見る。
もみ海苔はある。必要であれば、切ればよいか。

OK。

いつものように、電気炊飯器、酢飯モードで炊く。

もみ海苔の準備。
缶入りのものだが、レンジで20秒ほど加熱しパリッとさせる。
細く切ろうと考えたが、大差ないであろう、
そのまま使うことにする。

切れたら、7~8分蒸らし。

鮨酢もいつも通り、一合に40cc程度、透明な穀物酢と赤酢半々。

まわし掛け、

混ぜ込む。

ムラのあるところにはちょっと、インチキをして、
赤酢をたらして、混ぜる。
だが、それでも完全にムラなく混ぜ込むのは至難。

7~8分、落ち着かせる。

OK。

丼に、酢飯を盛り、もみ海苔、まぐろを並べる。

出来上がり。

どうであろうか、なかなかよい色の中トロではないか。
まぐろは、アイルランド産としてあった。

しょうゆにわさびを溶き、かけ回す。
わさびは金印の生おろし、チューブのもの。

ビールを開けて、食べる。

むろん、うまい。
これがまずかろうはずがない。

やはり、赤酢は合う。

仕事をしていない生の魚、特に白身などは、赤酢よりも
透明な酢の方が合う、というのが、今までの私の知見であるが、
まぐろはこの限りではない。つまり、生でも赤酢に合う。
いや赤酢の方がうまい、といってよい。
なぜであろうか。

ともかくも、うまい中トロ鉄火丼が、赤酢の酢飯でもっとうまくなる。

 

 

浅草寿・とんかつ・すぎ田

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2月29日(土)第二食

さて、浅草寿のとんかつ[すぎ田]

もうどのくらいになるのか、先代の頃から食べに
きている。

ミシュラン・ピブグルマンを続けている。
これもなん年になるのか。

5時半に予約し、徒歩で向かう。

真っ直ぐに東に向かい、国際通りを渡り右に曲がって、
春日通りの交差点の手前。

入るとこの時刻だが、もうにぎわっている。

カウンター、ちょうど揚げ鍋の前に掛ける。

瓶ビールをもらう。

キリンクラシックラガーの中瓶。

お通しは、うにくらげ。
なぜか、先代の頃からずっと変わっていない。

オーダーはいつも決まっている。

エビフライとロースのかつとロースのソテー。

エビフライは時価で、今日は3000円とのこと。

ソテーは2,300円也、かつは2,100円也。

ソテーの方が微妙に高い。

巨大エビフライ。

これもここの名物であろう。

かつもそうだが、かなりしっかりした衣。
えびはみずみずしく、プリプリ。

大きいからと言って、大味ではない。
そういえば、この海老、なんであったか。
聞いたことがない。

たっぷり添えられたタルタルソースもなめらかな
口当たりで、うまい。

カウンター、揚げ鍋の前なので二代目の作業を
つぶさに見ることができる。

揚げ鍋は二つで、温度が違うのであろう。
途中で、移している。

その隣はフライパンで、ソテーの調理中。

フランベ。フライパンから大きな火が上がる。
この火は、ブランデーではなく、ウイスキー

出来た。

バターとしょうゆに、ウイスキー

濃厚である。

ロースかつもあがった。

アップ。

ピンク色というよりは、少し火が入っている。

塩で食べる。

しっかりした衣。
先代の晩年よりも、これは上である。

そして、油切れもかなりよい。

ロースでも脂身をまったく取ってしまうところも
あるが、ここはある程度の存在感をもってつけている。

肉のうまみも十分。

キャベツはソースで。
改めて思うが、ソースがうまい。
辛めであろう。

ほどよいところで、ご飯と豚汁を頼む。

ご飯の炊き方も、堅めで上々。

豚汁は濃い。
しょうがの風味に、味噌が濃い

厚めに切った大根、熱い。

うまい豚汁。

うまかった、うまかった。

腹一杯。

食べすぎかもしれぬ。

ビール二本も加えて、1万円也。
こんなものであろう。

ご馳走様でした。

 

 

すぎ田


台東区寿 3-8-3
03-3844-5529

 

 

シャバシャバカレー

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2月25日(火)第二食

さて。
シャバシャバカレー、で、ある。

ご覧になった方もあるかもしれぬが2/25の、
TBS「マツコの知らない世界」。

この企画、出てきた方々の話は、今一つピンとこなかった
というのか、ピントがぼけていたように思ったのだが、
シャバシャバカレーというのは、うまい。

紹介されたいた中にも出てきた、カレーショップ、
新宿紀伊国屋書店のB1[モンスナック]。

ここは、私の高校生時代、40年も前になるが、
よく食べていたところ。
カレーの香りが、階段を伝って、紀伊国屋書店のビル中に
広がり、かなり食欲をそそられた。
カレーは、豚バラ肉の入ったシャバシャバで、うまかった。

その後は、新宿に縁が少なくなり行かなくなったのだが、
30代になり、思い出して行ってみると、味が変わっていた
と、感じたのであった。(今の味は行っていないのでわからない。)

以前にもこの、思い出の[モンスナック]の
シャバシャバカレーを再現したいと試みたことも
あったのだが、もう一つ、ピッタリの味にはならなかった。

今日は、それにもう一度挑戦してみようと考えた。

ポイントはシャバシャバの他に、豚ばらを使う。
インドカレーのシャバシャバではない。
つまり、なにかのスパイスが立っていない。
カレーの風味自体はいたってノーマル。
辛味も強くない、そこそこ。

こんなところであろうか。

そこで、スパイスはカレー粉、S&Bの赤缶。
[モンスナック]は豚バラの少し厚めに切ったもの
であったと思うが、冷蔵庫に豚バラスライスがあったので
これを使う。

基本の作り方は、シャバシャバインドカレーでいってみる。

今回もたくさんできてもしょうがないので、以前の半量。

玉ねぎ半分をみじん切り。

油を混ぜて、レンジ10分加熱で水分を飛ばす。

さらにフライパンで炒め、狐色に。

水を少量加え、カレー粉。
これだけでは、あまりにも辛味が少ないので、
レッドペッパー、小さじ1程度。

ここに豚バラ。

別に炒めた方がよさそうだが、面倒なので、
一緒に炒めてしまう。

豚バラの脂がよく出るまで火を通す。

鍋に移す。

水、コンソメ1個、ローリエ

トマト缶カット。
この量が問題。
入れすぎると、トマトスープになってしまうので、
抑えめ。
1缶の1/10ほど。

カレー粉、それから色味を補うため、ターメリック

これで煮込む。

30分。

どうであろうか。

塩を入れて、味見。

豚バラから脂が出ているのは旧[モンスナック]の
基本であったと思う。
これはOKであろう。スライスでも十分。

カレー味も、赤缶のみなのでOK。
辛味は、私の好みでちょい辛。

残りは、コンソメとトマトの味。

基本、他の味はないので、トマトがベースになっている。

やはり、トマトの形は、煮溶けつつあるが、
トマトスープにカレー味が付いている感じ。

う~。
これが、実は近いのでは、なかろうか。

ご飯を温め盛り付け。

つけ合わせは、常備している酒悦の福神漬けと
ピクルス。

ビールを開けて、食べる。

シャバシャバに対して、ドロドロカレー。
ドロドロカレーが、合わないということはない
のであるが、シャバシャバというのは、
実に飯に合う。

できれば、水分少なめの飯。
だが、だからといって、タイ米などのインディカ米の
パラパラではなく、日本米・ジャポニカの硬く炊いた飯
これがベストであろう。

今回は、冷凍にしたものの解凍飯なので、
まあ、その限り、ではないのではあるが。

だが、私の舌の記憶にある新宿紀伊国屋書店
[モンスナック]の昔のシャバシャバカレー、こんな感じ
であったのでは、なかろうか。
シンプル。豚バラの脂とトマト。

ただ、やはり、厳密にいえば、違う。
いや、違うというよりも、もう少しカレー粉が主張した方が
うまいのでは、ということ。
もう少し、香りの強いカレー粉。S&B以外の物を探してみようか。