2月20日(木)第二食
さて、豆腐、で、ある。
といってよいのだろう。
元禄5年(1692年)創業。
上野の宮様とともに京都から江戸へ下ってこの地に店を
構えた。東京でも屈指の老舗、豆腐料理店。
食い物やでこの歴史は東京では数少ない。
根岸の里に34歳の若き最期まで居を構えていた正岡子規も
多く詠んでいる。
春惜しむ宿や日本の豆腐汁
水無月や根岸涼しき笹乃雪
蕣(あさがお)に朝商ひす笹の雪
蕣の入谷豆腐の根岸哉
最近、私も視ているが、TV番組の影響で俳句は
一般にも人気になっているのであろうか。
調べてみると、豆腐だけでは季語にはならないよう。
春、水無月、蕣がそれぞれ季語か。やはり基本は春と夏。
だが、豆腐は冬も食べる。冬だと湯豆腐。
ちなみに、湯豆腐も季語になるよう。
私は、湯豆腐というのはあまりやらない。
するならば、あんかけ豆腐であろう。
出る前に、昆布でだしの用意。
今日は、利尻のものを使ってみる。
先日同様、軽く加熱し止めておく。
[笹乃雪]は料理やだが、豆腐を買うこともできる。
今日は、自転車で上野の山から、鶯谷・根岸にまわる。
上野公園の正面、黒門口の両脇に植わる早咲きの桜が
二株、もう咲いている。
[笹乃雪]で豆腐一丁と飛龍頭も一つ購入し、帰宅。
昆布だし。
利尻だと、色が出る。
昆布をあげて、鰹削り節を入れ、先日同様、一番だしに。
[笹乃雪]の絹ごし豆腐一丁。
値段は高いが、一般の豆腐の二、三丁分はある。
飛龍頭。
まあ、がんもどき、なのではあるが、飛龍頭という。
そのまま、ヒリュウズ、あるいはヒロウズ、ヒロウス、
などともいう。どちらかというと上方の言葉か。
まずは、あんかけの餡から。
味付けは、この前の大根よりは濃いめ。
酒、薄口しょうゆ、濃口も入れる。
水溶き片栗粉を加え、餡に。
飛龍頭の方は、濃口はなしで薄めにし、
煮含める。
豆腐は、レンジで温める。
器に湯を張り、1分程度加熱。
本当は湯に入れて温めるのであろうが、レンジでも
加熱しすぎなければ問題ない。
出来上がった餡をかける。
[笹乃雪]の豆腐であんかけ豆腐。
ここの豆腐、なにがよいのかというと、やはり濃さ
で、あろう。
豆腐のよさは、水、などというが、私にはよくわからない。
しかし、濃い、というのはわかりやすいだろう。
正直のところ、私は子供の頃から、この豆腐を食べるまで
豆腐自体、うまいものであると思わなかった。
スーパーなどに売られている豆腐を食べてきたのだと
思うのだが、今はスーパーのものでもうまいものも
あると思うが、やはり、ここのものは違っていた。
餡。
多少濃いめを意識したのだが、それでも薄かった。
濃口しょうゆを足してしまった。
やはり、私の口には上品な薄味は、合わない、か。
飛龍頭。
この飛龍頭も、スーパーのがんもどきとは別物。
銀杏なども入っている。
ぎっしり、ずっしり、密度がまるで違う。
このつゆは薄味で成功。
さて、もう一つおまけ。
仕上げに茶碗蒸し。
一番出しがあったので、作ってみた。
玉子1に対して、出し3。
これがプロのレシピだそうな。
そして、味は塩のみ。
具は冷蔵庫にあったモロッコいんげんと、
シマアジの身あらをちょっとだけ切って入れた。
ラップをしてレンジ200Wで7分。
即席で作ったが、まあまあ、であった。
一番出しのお蔭であろう。