浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



関西風お好み焼き

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1月17日(金)第3食

さて、関西風お好み焼き、で、ある。

最早、関西風と冠を付ける意味も、東京では
なくなってきたいるかもしぬ。

東京にもお好み焼きはちゃんとあり、子供の頃から食べていた。
しかし、関西風、を食べて、明らかに比べ物にならぬくらい、
うまい、ということが分かった。
他の、東京育ちの方も同様ではなかろうか。
島風もうまいが、あれは、焼きそばであろう。
関西風は、独自の進化を遂げて、完成度が違う。

私自身も大阪でもなん回か食べているし、
東京で、大阪のチェーンで食べてもいる。

なん回か、自作で再現をしようとしている。

だが、これがなかなかうまくいかぬ。
いや、そこそこのものができたこともあるのだが、
なかなか安定しない。

では、関西風はなにがうまいのか。

特徴は、もちろん、味の基本となるソースが違うのだが、
厚みであろう。

東京のものは、上からヘラでペシペシ叩いていた
くらいで、平たくする。
まあ、これは、今考えると、火を通すためであったのでは
なかろうか。
お好み焼きというのは、むろん水で溶いた小麦粉を
焼いた食べ物。
火が通らない生焼けは食べられない。

ここが、ポイントであろう。
関西風というのは、厚い。
厚いので、火を完全に通すは、難しい。
どうしているのか、ずっと疑問であったのである。
あれだけの厚み、鉄板やフライパンで完全に火を通すのは
不可能なのではなかろうか、と。

なん度か大阪のお好み焼きやで、食べてみて、わかってきたが、
例えば、ホットケーキ(パンケーキ)のようには、
おそらく、完全には火が通っていないということ。

生焼けだと、とても食べられないのでは、と思って
きたのだが、むろん程度の問題はあると思うのが、
感覚的には、生焼けに近くとも食べられる、いや、それでも
うまい、ということが、わかってきた。

よく大阪の人は、大阪のお好み焼きを形容するのにフワフワ、
などというが、実際にはホットケーキ(パンケーキ)、
蒸しパンのようなフワフワではなく、むしろ、トロトロ、
に近いのではなかろうか。もちろん、それでも十分にうまいのだが。
ちなみに、同じく大阪名物たこ焼きも、トロトロ、
という表現があっていよう。もちろん、うまいが。

これが半生なのか、どうか。東京人の感覚では、トロトロは
半生ではないか、と思っていたのだが、微妙なところだが、
生ではおそらくない。十分にうまく、食べられる。
半生に近くともよい、ということ。

ここを理解するのに、時間がかかったのであった。

レシピもわかるので、お好み焼き専用の粉と、豚バラスライス、
長芋を買ってくる。
キャベツも関西風には、欠かせないが、これは残っていたものが
あった。

まずは、キャベツみじん切り。
必ずしも、みじん切りでなくともよいようなのだが、より火が
通りやすいだろうと、みじん切り。
前にも出しているが、これを使う。みじん切り器。
http://www.dancyotei.com/2020/jan/okonomi_kya1.jpg

荒く切って、入れて、回す。

まあ、簡易フードプロセッサのようなもの。

簡単に細かくなる。
関西風はかなりの量のキャベツを入れる。

皮をむいて、長芋もおろす。

量は、5cm程度か。

粉100gに水100cc、おろした長芋、
ベーキングパウダーも一つまみ。

ここに全卵一個。これで二枚分。
キャベツも合わせ、

よく混ぜる。

フライパンを熱し、一枚分広げ、

豚ばらも切って上に並べる。
火加減は一番大きな五徳の弱火。

ひっくり返すタイミングは側面が固まってきたら。

こんな感じであろうか。
ん!?。ちょっと火が強かったか。ひっくり返す。

難しい。粉の袋のレシピではこれでふたをして4分半、とのこと。
中まで火を通すために蒸し焼きにするのである。
タイマーで計って、ひっくり返す。

肉がはがれ、切れてしまったし、もう少し焼いた方が
よかったか。

厚いのでひっくり返すのも、火を通す塩梅も難しい。
やはり、経験値とかなりの技術が必要である。

ただまあ、形はともかく、焼きあがった。
中もある程度目標の塩梅にはなったか。

ソースは関西ではなく、冷蔵庫にあった広島のオタフクソース
マヨネーズもかけ、青海苔も。

出来上がり。

(ちょっとピンがあまい。)

ビールを抜いて、食べる。

味は?。
ふむふむ、まあまあ。
焼き加減もミテクレはともかく、まあ、合格点であろう。
今日のところは、よし、と、しよう。