浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



カレーうどん・古奈屋/上野アトレ

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1月28日(月)第二食

時間もあるし、上野へフェルメールを観にいくことにした。

昨年からやっている。
話題で、人気、なのであろう。

普段、絵画を観る趣味はほとんどない。

ただ日本画、例えば尾形光琳酒井抱一などの琳派や、北斎
広重、豊国などの浮世絵、役者絵など国内の江戸期のものはまだ
興味もあって積極的に観る。
だが、国内外問わず、洋画というのはあまり趣味がないのが
正直なところなのである。

日本の江戸のものも歴史的な興味やら歌舞伎などとの
関係から観るということで、絵画そのものだけを切り出して
芸術として観る、ということをあまりしない、ということ
なのかもしれぬ。

ついでに、昼飯。

AM、カレーのことを書いて、カレーが食べたくなっていた。

寒いし、、、カレーうどん
ちょっとこの頃食べていないが。

上野駅のアトレに巣鴨の[古奈屋]が入ってる。

東京でカレーうどんといえば、昔からあそこ
で、あろう。
上野アトレの店では、なん回か食べている。
うまいものである。

カレーうどん。東京だとカレーそば、であるが、
まあ、ほとんどだめである。

この日記を書き始めた、30代前半。
名古屋に単身赴任をしていた時代。
名古屋というのは、あまり知られていないと思うが
カレーうどんが圧倒的に、うまい。
有名店もあるが、平均レベルも高い。
なにが違うかというと、濃い、ということ。

名古屋圏はいろいろなもので味が濃いというのが
特色だと思うがカレーうどんも東京と比べると
濃い。これがうまい、のである。

東京のそばやのカレーそばは、ほとんどの店が
業務用のそばうどん用のカレールーをそばつゆで
割ったものであると思う。
学生時代、そばやでバイトをしていたが、業務用
専用のものであるが市販のもの。基本これを使っていた。

名古屋にいて好きになったので、自分でもカレーうどん
作るようになった。

濃くするポイントはラードを使ってカレー粉の入った
ベシャメルソースを作る。手間は少しかかるが
そうとうにうまいものができる。
東京のそばやは、豚肉をちゃちゃっとそばつゆで
煮る程度。やはりこれでは深みは出なかろう。

さて。
自転車で出て、上野駅に向かう。

上野駅のアトレは山下口の方のWESTと正面玄関口のEASTの方と
分かれるが[古奈屋]があるのは、EASTの方。

EAST、正面玄関口の方はレトロ館などともいうようだが、
上野駅のこのスペースは、その昔は貴賓客向けの待合室などが
あったところだと思われる。
随分前にアトレになったのだが、正面玄関口は吹き抜けに
なっているなど、建物自体は雰囲気のあるものである。

吹き抜けから二階に上がって左側のレストランスペース。
入ってすぐの右側。

昼の時刻をちょっとすぎているからかすいている。

ここはいつもすべて女性なのではなかろうか。

そう。
そもそも[古奈屋]さんは、ご店主の奥さんだか娘さんだか
女性が今の繁盛を築いたのではなかったか。
店のテーストは女性である。

天ぷらもあるが、ノーマルなカレーうどん
小のご飯を付けた。

レモンゼリーのデザート付き。
ご飯は五穀米のような感じ。
このあたりのテーストも女性である。

やはり、カレーうどんの原則、濃くてうまい。

それも、店も言っていると思うが、ここのカレーのつゆは
名古屋などのものとも違い、牛乳なのか、クリームなのか、
おそらく乳製品系のものが入っている。

濃いのだがやさしい。

うどんもうまい。
例えば、讃岐やらのシコシコ、までではなく、
腰はあるが、これもやさしい。

安心できる、うまいカレーうどんである。

ご馳走様でした。

さて。

フェルメールも書いておかねば。

ウイークデーであるが、かなり混んでいた。
チケットは当日券を窓口で買ったが、前売りを買えるので
あれば、その方がよいだろう。
入場が時刻で分けられており、1時、3時、5時、、、。
それぞれの時刻の最初には行かない方がよい。
30分待ち以上の列になり、寒い中、西郷さんの銅像をまわり
清水堂あたりから並ばなければならない。
3時入場のチケットであれば、4時近くに行くと、
列は解消している。入場時刻は決められるが、出る時刻は
決められておらず、なんら問題はないのである。

フェルメール展といっているが、フェルメールの作品は
一部で、他は同時代、16~7世紀のオランダの画家の作品。
ただ、フェルメールの作品自体が、全部で37点しか
現存していないようでそのうちの9点が今回きている。

驚いたのは、絵画は皆、きれいなのである。
物理的にきれいという意味である。
これらの作品群、修復されていたのではなかろうか。
近くでみると表面はレプリカかと思うほどピカピカ。
とても17世紀のものではない。

フェルメールは光の画家、光の魔術師などというようだが、
ピカピカに修復されて初めて、描かれた当時の画家の意図は
伝わるというものである。
今回きている目玉でもある「牛乳を注ぐ女」なども他の
作家と比べてもピカイチの輝きを放っていた。光の画家の面目躍如。
我が国の絵画、建築など古い国宝なども最近は少しずつだが
修復されている。このご近所上野東照宮もはげっちょろけから
黄金の金ピカになっている。やはりできるのであれば、
描かれた、造られた状態で観るのが、正しいのであろう。

そして、やはり比較すると、フェルメールの作品は
「牛乳を注ぐ女」もそうだが、描いているモチーフは
日常生活を切り取ったものがほとんど。
つまりわかりやすい。
これも人気のポイントかもしれぬ。

上野のフェルメール展は日曜日、2/3までである。
お気をつけを。

 

 

 


古奈屋

 

 

 

フェルメール展