浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。
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五反田・博多担々麺 梟(ふくろう)〜ちょっと考察

7月17日(火)昼


こう毎日暑いと、なにを食べようか
思い浮かばずに、困ってしまう。


少し前にできた、オフィスそばのラーメンや。


一度入ったことがあるのだが、博多担々麺と
看板にある。


実はここは、この店になる前があって、汁なし担々麺の店
であった。
ここには書いたことはなかったと思うのだが、
びっくりするほどのことはないが、そこそこうまく、
近所なので多い時には一週間に一回はきていた。


辛さが選べたり、花椒(ホワシャオ)の香りが新鮮で
あったり。また、半ライスに生玉子一個もついていて、
うまい上に、お得感もあった。
まあ、近所の贔屓であった。


それが、昨年の後半閉店してしまった。
そこに居抜きで店を開いたのが、表題の博多担々麺[梟]
という店であった。


同じように、汁なしの担々麺がないかとのぞいてみた、
というわけである。


期待通り、汁なしはあって、熱盛ではなく冷やし、
花椒入り(らしきもの)を券売機で買った。


出てきたのがこれ。



麺が赤い。
唐辛子でも練り込んであるのか。


そしてキリっと冷えている。
これはうれしい。


肉味噌、花椒
全体として、味のバランスはよい感じ。


食べ終わって「博多」と謳っている、とんこつの
風味というのか、味というのか、が、ほんのりと残る。
なかなかクセになる味であった。


さて。汁なし担々麺というメニューは、今、東京では定番に
なっているといってよいと思われる。


担々麺を看板にしているところには必ずある。


例えば、私がよく行く[阿吽](田原町)


汁なしを食べてはいないが、高輪台の[香家]
にもあった。


いつ頃だったか明確には覚えていないが、
数年前、それこそ湯島天神下[阿吽]が話題になった頃なのか、
東京ではちょいとしたブームであったのではなかろうか。
この時に、汁なしも定番化していた?。


まあ、そんなところだったのではなかろうか。


そんなことで、五反田のこの店の前の、
汁なし担々麺専門店も出てきていた、ということであったろう。


汁なし担々麺というのは、個人的には出てきた当初は
今一つピンとこなかった。


そもそも担々麺とは、日本(東京?)ではという限定付き
であるが、甜麺醤などで甘めに味付けされた豚挽き肉に
練り胡麻、芝麻醤が入ったしょうゆ味のスープ、
ラー油、さらに花椒を効かせた、中華麺と、定義が
できよう。


ここからスープがなくなったものを担々麺というのか、が
私自身が疑問でピンとこなかったのである。


だがまあ、食べてみればうまい。


元来、中華ではジャージャー麺のような汁なしそば
というジャンルは大きな部分を占めていた。
中国本土では担々麺でさえ、ほぼラー油をぶっかけただけ
という担々麺も存在している。(北京の屋台で食べた記憶がある。)


だが、我が国ではジャージャー麺のような汁なしそばは
長く定着してこなかった。
当時は、日本人はやっぱり汁がないとだめなんだ、と
考えてもいたが、今からえるとこれはあてはまらなかろう。
私自身を振り返ってみても、ジャージャー麺
あまり存在感のあるものとは感じていなかった。


もしかすると、定着する程度に、うまいものでは
なかったということかもしれない。


それが変わったきっかけは、東京では油そばの登場ではなかった
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これも私は、登場当時は、スープもなく、具も少ない、
こんなものが食えるのか、と疑問に思ったがやはり左にあらず。
食べればうまかった。
これは、東京のラーメン店の店主達の新しいものを
生み出そうという情熱と、非凡なる新しい味の設計能力の
賜物であったろう。(それだけ東京のラーメン店のレベルは
私は高いと思うのである。)
今、油そばはそう大きなジャンルにはなっていないが、
あるところにはあって、私も食べることがあって
ある程度定着しているといってよいと思われる。


和えそばと言い換えた方がよいかもしれぬが、
油そばの定着という下地があって、今の汁なし担々麺の
定着があるといえるのではなかろうか。


さてさて。


そんなことで、今回の博多担々麺の[梟]という店。


ちょっと調べてみると、この店は博多に本店があって、人気
とのこと。博多ではこの店以外にも担々麺は一定の
人気ラーメンで、この店以外にも看板にしているところは
少なからずあるようである。


この店には、汁なしではない担々麺がもちろんあって、
そちらがメイン。実際に食べたことがあるのだが、
スープのベースが博多のとんこつで、それを担々麺に
しました、ということなのだと思うが、担々麺としては
特にピンとこなかった。(もちろん普通にうまいが。)
おそらく多くの方は賛同されると思われる。


むずかしいものである。
博多で人気があっても、必ずしも東京では、ということ
なのであろう。


今回食べた汁なしは、うまいと思ったし、
これであれば、例えば電車賃をかけて食べにくる
価値があり、あるいは、数週間に一度食べてもよいと思う。
つまり汁なし担々麺としてはとんこつの風味が
成功しており、他にないうまさになっていたと
思われる。