6月30日(土)第二食
引き続き、土曜日。
朝から、焼鳥でビールを呑んで、TVを視ながらゴロゴロ。
昼頃、そばを食おうと思い立つ。
冷蔵庫にたまたま少し前に買った、生そばが残っている。
冷かけ、ぶっかけのようなものにできないか。
そばのぶっかけであれば、天ぷら、天かすのようなもの
あるいは、おろし、そんなものがあればよいが、
どちらもない。
なにか、ないか、、、。
冷蔵庫をさがしていると、豚バラ肉が見つかった。
これはちょうどよい。
肉そばの冷やし、でいこうか。
「ひやにく」。
これをご存知の方は、かなりのマニア?。
拙亭からさほど遠くもない、台東区竜泉のそばや[角萬]。
蕎麦屋界のラーメン次郎などともいわれる。
豚肉の小間切れが入った肉南蛮そば。
真冬でも、皆、ぶっかけの冷やしを頼む。
圧倒的に、温かいものよりも、冷やしの方が
うまいから。
それが「ひやにく」。
さらにこの大盛もよく出ており、こちらは「ヒヤダイ」。
訪れるお客のほとんどはこのどちらかを頼む。
これは普通盛りの「ひやにく」。
ご覧あれ、このうどんのような太い蕎麦を。
かなり強力といってよいだろう。
家にあったそばはむろん普通の細さのもの。
濃いめのつゆで豚バラとねぎを煮て、
茹でて水洗いしたそばに
ぶっかければよいか。
ん!
ねぎが一本の1/3ほどしか残っていない。
もう少し入れたいところだが、しかたない。
つゆはいつもの桃屋のつゆ。
私にはそばつゆは、桃屋のもの以外に考えられない。
ねぎは五分に切る。
お。
冷蔵庫にあった、油揚げ。
これも入れようか。
短冊に切る。
一度、湯がいて油抜きをした方がよいか。
小鍋に湯を沸騰させて油揚げをしばらく湯がく。
つゆに一口に切った豚バラ、ねぎ、油揚げを入れ、
煮込む。
同時にそばを茹でるための湯を大鍋に沸かし、
そばを茹でる。
つゆの鍋は肉に火が通ったら火を止めておく。
そばが茹ったら、あけて水洗い。
ざるで水を切る。
丼に移し、先ほどのねぎと豚肉、油揚げを煮たつゆを
ぶっかける。
薬味のねぎがないので、冷蔵庫にあったエシャロットを
小さく切って入れる。
出来上がり。
簡単なものである。
つゆは煮上がってそう時間は経っていないので
そばは冷たいのだが、全体としては、生温かい感じ。
[角萬]のものもそう大した違いはなかった
かもしれぬ。
豚肉には脂身があるので、完全に冷たくなったものよりは
このくらいの方の方がむしろよいかもしれぬ。
まあ、かなりいい加減な食いものではあるが、
やっぱり、滅法うまい。
そうそう。
“肉そば”といえば、東京では虎ノ門の[港屋]が
有名であった。弘兼憲史氏が行きつけで作品の
「島耕作」にも登場するとかで、私が気が付いた時には
既に超有名店で大行列の店になっていた。
そんなことで私自身は行ったことはない。
肉ののったそばをラー油の入ったつゆで食べる、とか。
うまいのであろうが、どんなものなのか。
あるいは、こんなのもある。
肉天そば。
豚肉のかき揚げがのったそば。
[永坂更科]の新宿の店の立ち喰いコーナーだけのもの。
もう少し上品ではあるが、これもまた、
やはりB級で、うまい。
しかし肉そば。
豚肉を使ったそば、と言い換えてもよいかもしれぬ。
それこそ、立ち喰いそば、路麺などでも
もっと一般化してもよさそうではあるが、
そうでもないのはなぜなのか。
豚肉、それも薄切りではなく、存在感のある
厚切りのものがどっさりとねぎ。
これがうまい、のである。