浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



五反田〜赤羽橋 麻布飯倉野田岩本店・別館その3


引き続き、五反田駅18時38分、都バス反94系統、
赤羽橋行きで、うなぎやの麻布[野田岩]へ向かう。


昨日は、古川橋から三の橋、二の橋、一の橋。
古川沿いに右に曲がって、中の橋。


この三の橋からの古川沿い街並みというのは
ちょっと特筆すべきものがあろう。
どことなくオシャレ。
バタくさい感じ?。
歴史的には戦後六本木、麻布周辺に米軍関連の施設が
多くあったり(今もあるが)、また各国大使館も
集中しているということが原因なのであろう。
そういう意味ではこの界隈一帯がそうで、この通り
だけのことではない、のかもしれぬが。


さて。


みんな、中の橋で降りてしまって誰も乗っていない
都バスで終点の赤羽橋まで。


赤羽橋の停留所は赤羽橋を渡って、回り込み
東京都済生会の病院前。


ここまできてしまうのであれば、
私も中の橋で降りた方が[野田岩]へは早かった。


バスを降りて通り沿いを歩く。
この通りはなんというのか。
三田通りでよいのか。


虎ノ門から神谷町と、愛宕山の西側からの通りである。


さて、四枚目になるか、切絵図。



絵図の名前は「芝愛宕下」。


今、愛宕下通りというと、愛宕山の東側の南北の通りで
愛宕下はとは山の東側をいう。(愛宕山は急な石段で有名だが、
この石段は東に向いているので、東側が正面、ということ
であろう。)


この地図、見てお分かりの通り、大きな大きな、お寺。


今は、もっともっと小さいが、塔頭など関係する
寺院も含めて、これが芝の増上寺
増上寺とは、いうまでもなく上野寛永寺と並ぶ
もう一つの徳川将軍家菩提寺


二代秀忠、六代家宣、七代家継、九代家重、十二代家慶、
そして十四代家茂の六代の将軍と正室が葬られている。
家茂ということは、かの皇女和宮墓所もここである。


増上寺のことを書き始めると、切りがなくなる。
ご興味があれば、、このあたりをご参照下されたい。


今は、増上寺はほんのわずかで、ご存知のように、
プリンスホテル芝公園、東京タワーなどになっている。
ここには日光東照宮のような、秀忠など将軍の豪壮華麗な
いわゆる権現造りの霊廟が、実のところ戦争で焼けるまでは
残っていたのである。
ほぼすべて焼失し、お墓は整理され今は増上寺の一角に
それぞれのお墓のみの墓所が設けられている。
また、ごくわずか焼け残った門など数点がポツンと
プリンスホテルの駐車場などに忘れ去られて、
存在しているのは、悲しい有様である。
前から書いているが、なんとかならぬものであろうか。
これらも貴重な東京の文化遺産である。


さてさて。


五反田からの都バス反94系統、赤羽橋行き
終点まで、30分ほど。まとめ、ではないが、
やはり歴史のある東海道脇街道の面目躍如
であろう。
バスを降りて[野田岩]に向かって通りを歩く。


右手前方には赤い東京タワー。


やはり東京タワー、美しい。
改めて近くで見ると、そう思う。


スカイツリーもよいのだが、東京タワーには
なんだか勝てないものがあるように思われる。
スカイツリーは大きすぎるからなのか。


ライトアップもスカイツリーは青系が多いようだが
これもなんだか冷たい感じに映る。


赤というのか、オレンジというのか、
あのカラーで、地面にしっかり足を広げ
踏ん張って建っている姿もよい。
なにかある種神々しさのようなものまで
感じてしまう。
それが、役目を終えても皆に親しまれ、大切にされている
ところなのかもしれぬ。
ライトアップされた姿を近くで見ると、
改めてそんなことを感じ、納得すること
しきりであった。


ともあれ。


赤羽橋からは10分は歩いたか。
やっと[野田岩]到着。


19時半前。
白壁の蔵のような建物。
暖簾を分けて、入る。


と、中で待っている人、4〜5人。
名前を書いてくれ、というので名前を書き、
玄関を入ったところの待合の椅子に腰かける。


待ち時間は10分、15分ほどであったか。


席は、本店の建物ではなく、
少し離れたところにある、別館。


お姐さんに先導されて、別館へ。
別館の席は二階。
階段を上がって、テーブルへ。


なるほど、こちらもほぼ満席。


座って、ビール。


品書きを吟味。


日本橋高島屋の食堂に入っているこの店の
ものは食べているのだが、本店は久しぶり。
小さな白焼き(志ら焼き)がついたセットが
いくつかできている。高島屋にもあったか。


白焼きとうな重のセット。


ん!。


白焼きと、ひつまぶし、というのか、
出汁をかけて食べる、うな茶のセットのような
ものもある。


東京の老舗それも[野田岩]で名古屋風の
うな茶を出そうとは。
いかにも挑戦的?。


まさか[野田岩]、半端なものは出すまい。
これにしてみようか。


しかし[野田岩]脱皮を図っているのか、、。









麻布・五代目野田岩
電話番号:03-3583-7852
住所: 東京都港区東麻布1丁目5−4