浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



ハンバーガー・人形町・ブラザーズ  デリバリー

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11月23日(金)勤労感謝の日 夜

昨日、今日と二回、NHKを視ていたらグルメバーガー
が出てきた。

一つは「世界はほしいモノにあふれてる」で
もう一つは「サラメシ」。

グルメバーガーというのは、なんであろうか。
最近定着してきた言葉であろう。

いわゆるハンバーガーだが、マックなどのチェーンではない
こだわったもの、程度の認識でよいのだろうか。
材料、作り方、ソースなどの味付けその他、手作り?。
値段ももちろん高い。
一つ、1,000円以上は軽く越えて、1500円~2000円なんという
あたり。

ハンバーガーの母国、アメリカなどでは昔からあったのであろう。
いつ頃からなのかわからぬが、東京にもそういうハンバーガーを
出す店ができていた。
私も、10年、15年ほど前から食べに行くようになった。

私の行動範囲だと、本郷の[ファイヤーハウス]
人形町の[ブラザーズ]。
こちらはデリバリーで「サラメシ」に登場していた。

さらに最近、厩橋の西詰に[マクリーン]
というのもできている。

[ファイヤーハウス]と[ブラザーズ]はデリバリーをしてくれるので、
たまには頼んでいる。

増えているのであろうか。
老舗もあるが、ここ数年でできているところも数多いよう。
確実に増えていそうである。
「世界は」には北参道で[E・A・T]というバーガーショップ
開いているフレンチ出身の高橋路和という人が出演(で)ていた。

希少価値のようなポジションからそれぞれ個性を出して
ラーメンやのような競争時代に入ってきているのかもしれぬ。
(もちろん、私自身は今の東京のグルメバーガーシーンの
詳細は知らないが。)

私の友人にも一人いるがこのグルメバーガーには昔から
マニア、フリークといわれるような人々がいた。
今まではこういった人々が支えていたのであろうが、
こう増えてくると、マニアだけではなく、幅広いお客を
捕まえなければいけなかろう。高価格なだけにハードルは
低くはなかろう。

さて、そんなことで人形町[ブラザーズ]のデリバリーを
頼む。人形町からは拙亭のある元浅草はデリバリー範囲の
最北端のようだが、定期的にポストにメニューが入ってくる。

内儀(かみ)さんのものを合わせて二つ。
私は「ロットバーガー」なるもの。1850円也。
40~50分ほど。

「サラメシ」にも出てきたが、きれいにデザインされた
赤い箱入り。

中には頼んだバーガーとオニオンリングとポテト。

「ロットバーガー」というのは[ブラザーズ]の看板メニューで
ベーコン、チーズ、目玉焼き、パイナップルなどが入っている。
ソースは選べるが、テリヤキを頼んだ。

ロットはlotで、辞書を引くと正しくはthe lotのよう。
俗語で「全部」。オーストラリアでは「the lot berger」という
言い方があるようで、全部入り、的な意味合いか。
[ブラザーズ]の主人がオーストラリアで修行しているので
その影響のよう。

ハンバーガーをどうやって食べるのか。
店であれば、串を刺して出されることもあるが、
紙の袋入りなので袋のまま食べるのがよろしかろう。
あまりきれいなものではないが。

ビールを開けて、食べる。

もちろん、うまいのであるが、やはり食べ方も含めて
ジャンクであろう。

ジャンクに1850円を出すというのは、やはり多少の
疑問がいつも付きまとう。

アメリカ人にとってはハンバーガーはとても大切な食い物で、
まあソールフード。明日世界が終わるといわれて食べたいものは
ハンバーガーであると答える人がほとんどと聞いたことがある。
もちろん、私自身はそんなことは思わないし、日本人で
同じように思うのは、先のマニアな人々ぐらいであろう。

NHKの「世界は」に出ていた高橋シェフがおもしろいことを
いっていた。ハンバーガーという食い物は、パンと具材が
一体化しており、唯一、想定した通りの味の組み合わせを
提供できる、と。
ハンバーガーでなくともサンドイッチ系の食い物は同じであろう。)

肉のパテがどんなふうで、どんなチーズ、どんなソース、どんな野菜、
どんなパン、、、それぞれ組み合わせが想定した通りに一度に口に入る。
いかにもフレンチのシェフらしい発想であろう。
さまざまな材料、調味料から組み合わせを選び、新しい味を
作り出すという。

この高橋氏のように考えてバーガーを作っている人はそうは
多くはないだろう。アメリカでも同様ではなかろうか。
大多数はこんな高尚なものではなく、やっぱりハンバーガーの本質は
ジャンク。パテにベーコン、玉子、ケチャップにマスタード
マヨネーズ、レタス、トマト、バンズ、、。ケチャップとマスタード
ハインツでよいのだろう。
手と口をベトベトにして食べる、これがうまいのである。
死ぬ前とはいわないが、私も時として食べたくなる味である。
マックなどは、最近大分うまくなってきたが、やっぱり、
ちょっとさびしいか、少し高くてもよいので。
そこに、こういうグルメバーガーというメニューと業態が
存在している。私自身はそう感じている。

従って、マックのちょっとこだわり高価格帯というようなものは
存在できない。1500円程度まで上がった「こだわり」的なものが
必要になる。そんなことではなかろうか。
本質的には、マックもグルメバーガーもそうは違わないのであろうが。

 


ブラザーズ