浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



富山駅前・廻転とやま寿司

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10月25日(木)昼

ちょっと、久しぶりか、
富山出張。

昼前、駅を降りると、よい天気。

少しこちらも寒くなってきたようだが、
日中、日が出ていると、ちょうどよい。

昼イチなので、いつもの駅前の
回転寿司で、昼飯。

[廻転とやま寿司]。

やっぱり、地方では回転寿司。

安くて、地の魚も取り交ぜて、うまい。

特に富山ではそうである。

富山では便利なのでいつもここ。

12時少し前、店に入る。
満席ではないが、そこそこの客の入り。

ここでは、ランチの一人前頼むことが多い。

他のお客もそうなのか、回転寿司ではあるが
ほぼ回っていない。

ランチセットは1,200円からあって、
せっかくなので、今日は大トロも入った特上、 2,680円也にしよう。

混んでいるのか、少し待って、きた。

大きなお椀のとろろ昆布の汁付き。

さすがに特上、ゴージャスである。

上からいってみよう。

左から、大トロ、鯛、鯵。

富山というのは、鮪(まぐろ)も揚がるので
よく食べられている、

それだけではなく、富山湾といえば、
冬場の鰤(ぶり)が看板。
寒鰤はご存知の通り、上等の脂。

さらに富山だけでなく、隣の金沢などもそうだが
この地域ではかじきが刺身でよく食べられている。
これも脂がのったもの。

たっぷり脂ののったものが好まれる
という土地柄があるかもしれぬ。

鯛も鯵も上々。

二段目。

左から、のどぐろ炙り、甘海老、ハタ(であったか)、
一番右は、貝だが、バイ貝。

のどぐろ。
脂ののった、ご存知の高級魚。

やはり、炙った方が、種としてはうまい。

ただ、ちょっと煤(すす)くさい。
バーナーで炙っていると思われる。

今、回転寿司に限らず、炙った種をにぎるものが
増えている。
秋刀魚などもそうだが、脂の多いもの一部は
炙った方が種としてはうまい。
ただ、私はちょっとクエスチョンマークを付けている。
秋刀魚にしても、のどぐろにしても刺身よりも
塩焼きの方がうまい。
しかし、酢飯と一緒ににぎってうまいのか、
という問題である。
炙った魚のにぎりでうまいもの、というのに
あまり出会った記憶がない。
酢飯とにぎってよりうまくなるのが、にぎり鮨。
炙ったものは炙ったものだけで食べた方がうまい
と思うのである。
つまり、炙った魚のにぎりは、まだその域に
達していないのではないかと思うのである。

そして、今回の炙りは、煤くさい。
これもよくある。
和食の料理人に聞くと、和食で魚を炙る場合は
煤や煤の匂いがつかぬように、気を付けるのは
常識で、炙った後に洗うこともあるよう。
炭火などでは煤は出にくいような気がするが、
バーナーの場合、煤がどうしても付きやすい
のではなかろうか。

と、いうことで、炙りのにぎりは、
まだまだ改良の余地があろう。

甘海老とハタとは上々。
バイ貝というのは、コリコリの食感と貝らしい風味。
あまり私は食べないが富山では定番のもののよう。

下段。

軍艦三種。

いくら、白海老、紅ずわいがにの味噌のせ。

白海老の軍艦は白い板状のおぼろ昆布で
巻いてある。
昆布の国、越中富山らしい。

ずわいがにの味噌のせ。

かには漁期が決まっているが、これは富山湾では9月から解禁で
今が旬ということのよう。

実のところ、私自身はかにみそというのは
生ぐさいものがあるので、さほど得意では
ないのだが、これはそんなこともなく、うまい。

全体を通し、いろいろ書いたが、
やっぱり、うまくて、安い。
東京で同じ種を食べれば、倍は取られよう。

ご馳走様でした。






富山市桜町1丁目1-4-9
076-431-5448