浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



2017断腸亭の連休ラーメン その4

引き続き、連休ラーメン、その4。


7杯目。


西浅草の[麺 みつヰ]の続き。


カウンター割烹風の、落ち着いた、ラーメンやとは
とても思えぬ風情の中で、エビスと塩ラーメン。


ソースかつ丼もきた。


ん!。


私が福井でいつも食べているものよりは、
甘味が少なくからめ。


このご主人、福井出身であろうか。
置いている日本酒は福井大野の真名鶴。米も福井県産。


福井県ソースかつ丼でもある程度ソースの味に
幅があるのであろう。


ただ、やはり驚くべきは、その都度かつを揚げている様子。


これは時間がかかるわ。


我々、口開けの客が入った後、席がまだあいていたので
列に付いていた後のお客が入ろうとすると、お客の数を
決めているようで、外で待つようにいっていた。
なかなかデリケート。
まあ、早くきてよかった。
彼はかなり待つであろう。


勘定をして、出る。


ご馳走様でした。


なかなか、おもしろい店である。
ただ、時刻を選ばないといけない。


5/6(土)8杯目。


今日は、南。


鶏塩タンメンの[富白]よりもさらに南。
昭和通りから東に入った凸版印刷の裏あたり。


名前は[ラーメン食堂 粋な一生]。
台東区台東1-27-2 竹善ビル1F
03-3837-8117


今日は開店から少し遅刻し12時少し前に到着。


この店も塩が売りのよう。
特に新しい店ではない。


入ると意外に店内は広い。
カウンターにテーブル二つ。


家族経営のような雰囲気。
お客も、ラーメンマニアというような人ではなく、
近所の家族、休日出勤らしいサラリーマン3人組み?。
普通の街のラーメンや然とした雰囲気。


餃子の貼り紙が目についた。
券売機で、ビールと餃子、塩を購入。
カウンターに座る。


餃子から。


すぐにラーメンも。


こうなると伸びぬように、ラーメンを先に。


ほぼ澄んだ透明スープ。
すっきりとうまい。


見た感じは確かに街のラーメンやであるが、
なるほど人気のわけである。


餃子もうまい。


ただ、うまいのだが、尖っているわけではない。
行動範囲にあって頻繁に通うのであれば、これがよい
のであろう。


ご馳走様でした。


さて、5/7(日)、いよいよ最終日。
9杯目。


最後はどこにしようか。


普段はいけない、または新しい店をまわったが、
最後は、慣れたところにしようか。


御徒町駅南のラーメンモール「ラーメン横丁」の
[青葉]に決めた。まあ、いつでもこれるところ。


徒歩で昼時。


ノーマルなつけ麺。


どうなのであろうか、ここは平成8年創業で、魚介、煮干し系では
草分け的な存在でかつ、一般化させた店なのではなかろうか。
私などは、魚の風味だけで当初は違和感があったくらいであったが、
もはやこれでもおとなしく感じるほど。


酸味が少しあるつけ汁は、つけ麺の元祖池袋[大勝軒]が
発祥であろう。


安心できる味。


ご馳走様でした。


さてさて、上野、浅草、入谷、蔵前、秋葉原、拙亭から歩いて30分以内の
ラーメンやでうまそうなところをまわって、9日間、9杯の旅、
これで読み切り、で、ある。
(ほとんど飽きなかったのは不思議ではある。)


すべて歩いていったが、ビールも呑んでいることもあるので
有酸素運動になるくらいの早足ではなかった。
最終日の夜に体重計に載ると、案の定、1〜2kgは増えていた。
まあ、これ以外は、ごろごろしていたので、当然であろう。


さて、ふり返ってみると、今回、なぜか塩が多かった。


新しいところは、塩を看板にしているところが
やはり多そうである。(やはり看板を食べねば駄目である。)


むろん、そういうところは、以前は定番だった、
とんこつしょうゆ背脂こってり、という方向でもない。


個人的には背脂こってりも好きであるし、
完成度の高い、濃厚バランスの塩もよい。


いずれにしても、いろんなバリエーションがどんどん生まれ、
どんどん進化、あるいは深化していくのは、一東京ラーメンファンとして
望ましいことであるし、愉快なことこの上ない。


東京のラーメンは今や世界に出ていき、人気を集めている。
また、東京にくる外国人もラーメンを目当てにする人も多い。
誇るべき東京発信の食文化。


にぎり鮨をはじめ、東京名物、東京発祥の食いものには
世界へ出ていくだけのポテンシャルがある。
これだけ作る方は考え、新しいものを生み出し、競い合っている。
お客もまたそれを磨いていくだけの舌と情熱を持っていると
いってよろしかろう。
(ある種、日本人らしいオタク的気質もこれには多分に
関わっていると思うが。)


なんと愉しい東京のラーメン世界であろう!。