浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



富山・ラーメン・麺屋いろは


5月28日(水)昼



さて、今日は富山出張。
はくたかで昼前に着いた。


富山も暑い。


昼飯を駅付近で食べるのだが、
ラーメンが食べたくなった。


駅付近にもラーメンやはなん軒もあるが、
まだ入ったことはない。


ちょっと調べると、かの富山ブラックラーメンも
駅前にもあることがわかった。


東京では富山のラーメンといえばブラックラーメン、なのだが
実際に富山にくると必ずしもそうではなく、見たところ、
それ以外のラーメンというのも少なくない。


九州へいけばほとんどすべてのラーメンやがとんこつなのに対して
富山ではそうではなく、いくつかの系統だけが
ブラックラーメンを出しているだけで、必ずしも大メジャーな味
ということではないのがおもしろい。


私はというと、たまたま浅草に[だらんま]
という富山ブラックラーメンの店があり、
なん度か食べたことがあった。


ここのものは、富山のしょうゆに由来するものなのか、わからぬが、
まっ黒でとにかく塩味(えんみ)が強い。
しかし、ただ塩辛いだけでなく、うまみも十分。
それで、ここでは必ず白いご飯を頼んで、ラーメンライス
しなければならない。
品はないし、そんなに炭水化物ばかり食べずともよいのだが、
これがうまい。


と、いうことで、駅前ビルの地下にある
[いろは]というところにしてみる。


[いろは]といいうのは、私は知らなかったのだが
どうも東京に富山ブラックラーメンを広めた店のようである。


各種イベントに参加し、東京で人気を集めるようになったよう。


それで、東京にも店舗を出し、ここのご店主、やっぱり、
かなりやり手で東京どころではなく、今は、香港、
米国LAにまで店を出している。
(おそるべし、ラーメンビジネス。)


このため、東京で富山ブラックラーメンといえば
ここが最もメジャーなのかもしれない。


店の前まできてみると、12時前というのに
既に二人ほど前で待っている人もいる。


ただ、中を見ると空席もあり、段取りの問題であろ。
さほど時間はかからなそうである。


数分待って入って座る。


ビルの中だからか、きれい。
まだ開店してそうたっていなかろう。


メニューをみるとブラックラーメン以外の
味もありまた、白いご飯付きのランチセット
のようなものもある。


やはりご飯付きであろう、と、
煮玉子入りブラックラーメンの
ランチセットというのにしてみる。


少し待って、きた。





真っ赤なラーメン丼、と、いうのは
少し珍しいかもしれない。


どんな感じであろうか。


スープから飲んでみる。


ん!?


少なくとも、浅草の[だらんま]よりも
塩辛くはない。随分マイルド。


魚介系の風味が濃厚。


メニューに書いている説明を読むと、
なんでも魚醤がベースとのこと。


なるほど。


また、ラーメンスープというよりは和の汁のような
印象もある。


だがやはり黒いこの色は、富山のしょうゆ、で、あろうか。


ただ、このくらいの塩味の濃さであれば、
別段、白飯は必要ないかもしれぬ。
飲める。


一般の人気を集めるのも、さもありなん。


まとまった味といってよろしかろう。


うまかった。


あとで調べてみると、富山ブラックラーメンというのは
この駅前にも支店があるようだが、元祖に近い店が
いくつかあり、そこはやはりご飯付きで食べるもので
塩辛いのが“正しい富山ブラックラーメン”のようである。


この[いろは]はそれらをアレンジしたものなのであろう。
それで一般の支持を得たのか。
なかなかなものである。


さて。


こうなると今度は、元祖に近いところにいってみなければ
ならなかろう。






麺屋いろは