浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



ピザ焼き器でタンドリーチキンを焼く。

dancyotei2012-07-16



7月14日(土)第二食



土曜日。


海の日を含んでの3連休、で、ある。


そう。


九州で記録的な集中豪雨で川の氾濫、
大きな被害が出た。


まだ梅雨は開けていないのである。


梅雨は開けていないのだが、暑い。
昨日は、熱帯夜であったのか?。


もう既に、窓は開けて寝ていた。


第一食は辛ラーメン
こう暑いと、辛いもの、で、ある。


昼すぎ、髪を切りに、仲御徒町へ出る。
歩いて、とも思ったが、暑いので自転車。


こう暑いと、魚、でもない。


焼肉、ホルモンでも焼いて食おうか、
と、考え、帰りにハナマサに寄る。


ハナマサの焼肉、味付け肉のコーナーにくると、
タンドリーチキン、というのを売っていた。


焼いたものではなく、タンドリーチキン用の
たれに漬かった、生の鶏肉。


うちでは内儀(かみ)さんが

タンドリーチキンは作る。


ヨーグルトなどを使って、漬ける時間も一晩は必要。


既に漬かっているのは、便利、で、ある。


うん!。


そうだ。


この前、ピザを焼いたピザ焼き器




で、焼いてみたらどうであろうか。


レンジのオーブン機能や、フライパンで焼いても
やはり、高温にならないので、ピザ同様、
今一つの焼き上がりにしかならない。


タンドリーチキンというのは、ご存知の通り、
インドの焼鳥。


ナンを焼くタンドールという窯で焼く。


ピザ窯、パン焼き窯、タンドール、、、。
結局、高温で焼く、というのがポイント、
なのであろう。


きっと、ルーツとすればこれら、同じような
ところなのではなかろうか。


このあたりの窯は石窯、あるいは、タンドール
土窯で、構造上は多少違っているようではある。
(ピザ窯やパン焼き窯は横から出し入れするが、
タンドールは上から出し入れする。)


ちょっと、歴史を調べてみた。


窯の歴史は、結局、パンの歴史、ということになる。


小麦を焼いたパンを人類が食べるようになったのは、
6000年前。かのチグリスユーフラテスのメソポタミア
という。


パンを食べていた、ということは、
パンを焼くための石(土?)窯は既にあった、
ということである。


古代メソポタミアというのは、今の中東イラク、で、ある。
つまりここを中心にギリシャ、エジブトなど地中海沿岸、さらに
中央アジアからインドへ広がった?。


インドのナンも発酵した生地を焼いたもので、
広い意味では、パンといってよいのであろう。


そして、むろんヨーロッパ地域全体でパンは食べられている。


これに対して、食文化的に考えれば、米を主食とする
東南アジアや中国、我国を含めた東アジアには、
パン食はなく、従って、伝統的には石窯はない、といって
よいのであろうか。


しかし、このタンドールや石窯、というのは、
なかなかに優れもの、と、いってよかろう。
おそらく、古代からあるものだけに、構造や仕組み、使い方は
そうそう難しいものではないのだが、高温で焼ける。


考えてみると、中華料理などもそうかもしれぬが、
日本料理でもこのように高温で加熱する調理法というのは、
存在しない。日本料理では焼く、煮る(茹でる)、蒸す。
中華料理ではこれに油で炒める、揚げるあたりが加わるか。


やはり、食文化的に異なった成り立ちをしている、
といってよかろう。


おもしろいもの、で、ある。


さて。


まずは、ピザ同様に、ピザ焼き器のサーモスタットが
切れる高温まで、予熱する。
前にも書いたが、電子レンジのオーブン機能よりも
短時間に高温になる。


ピザはセラミックの板に直接のせて焼くが、
チキンはそれでは、すぐに焦げてしまうであろうと、
金属の簀(す)の子のようなものに、載せてみる。
(魚焼きグリルのものでもよかったが、
これはアルミのパッドについているもの。)





ふたをして、焼く。


時間がどのくらい必要か、よくわからぬので、
様子を見ながら。





多少、焦げ目がつくくらい、か。
(この写真、わかりずらいが、焦げ目がついている。)


焼いている間に、玉ねぎのアチャール
即席で作った。


アチャール、というのは、インドのピクルス。


玉ねぎのものが御徒町デリーの食卓に置いてある。


本来はレモン汁とレッドペッパーで和えて、
半日ほど置くのだが、即席で、かつ、レモン汁
(ポッカレモン)が切れていたので、かわりに
白ワインビネガーを使い、軽くレンジ加熱したもの。





やはり、タンドリーチキンらしいものになった。


単に高温、というだけでなく、セラミックなので、
炭焼きのような遠赤外線効果もありそうだし、
蒸し焼きにもなっているのであろう。


中までちゃんと火は通っている。
(炭で焼いた焼鳥もこの大きさでは、中まで
火を通すまでに焦げてしまいそう、で、ある。)


アチャールはワインビネガーなので、ちょっと
甘さがついてしまったが、まあ、御の字。



他の使い道はなさそうだが、セラミックのピザ焼き器、
なかなかの、優れもの、で、あろう。