浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



豚しょうが焼き

dancyotei2012-03-19



3月18日(日)第一食



さて。



日曜日。



毎度のようだが、チューボーですよ!の再現。




が、まあ、今週はそれほど大上段に構えるものではない。
メニューはポークジンジャー


ようは、豚のしょうが焼き、で、ある。


だが、豚のしょうが焼き、というもの、
うまいもの、で、ある。


むろん、春夏秋冬、四季、いつでもよいのだが、
どちらかといえば、暑い夏、で、あろう。
しょうが焼きにビール、なんぞは、堪らないものがある。


12時すぎ、徒歩で買出しに出る。


まだまだ、寒いことは寒いのだが、多少は
凌ぎやすくなっている。


買うものは、キャベツと肉。


豚しょうが焼きには、キャベツは必須、で、ある。


キャベツ千切りのない、とんかつは考えられないのと同じくらい、
キャベツ抜きの豚しょうが焼きも、考えずらい。
必須、で、あろう。


100円コンビにできてみると、なぜだか、キャベツが
いつもは、半分で売られているのだが、
今日は、1玉でしか売っていない。
250円ほど。
半分で100円では売れない、ということなのか。


価格の問題もあるが、1玉買っても、量が多い。


春日通りを渡り、すぐそばの三筋のスーパーヤマザキ
まわり、半分のものを購入。


肉はハナマサ


豚ロース。


厚め、の方が、よいだろう。
スライスではあるが、カツにしてもよいくらいのものを
選ぶ。


帰宅。


作る。


キャベツ、千切り。


キャベツ千切り、と、いうのは、どういうものが
うまいのか。


問題は、細さ。
細ければ、細い方がうまい、と、いえるのか。


私が知っている限り、細いキャベツの千切り、
といえば、上野のとんかつやの名店、双葉ではないかと思っている。
おそらく、1mm以下。


ここのものは、まるで綿のような細さ。


まあ、ここまではたいへんだが、1mm程度の
細さには切りたい。


細く切るには、むろん切る技術もあるが、
包丁が切れないといけない。


切れない包丁では、細く切ろうにも難しい。
このため、包丁は常に、切れる状態にしておきたい。
私は調理中でも、切れなければ、一度中断して、砥ぐ。


5〜6枚をキャベツの玉から取って、
丸めてサクサクと切る。


私の場合は、学生時代、蕎麦やでバイトをしていたのだが、
この店で出していた焼肉定食用のキャベツ千切りで
鍛えられた。
それこそ、昔は、随分と指を切ったりもしている。


千切りにしたキャベツは冷水に放しておく。


次に、たれ作り。


生姜をおろし金で、おろす。
これは、皮ごと。


皮ごとの方が、香りがよい、というのでこれをはじめたが、
微妙なところは置いておいて、今は、面倒だから、むかなくてよいのなら、
そのままだ、と、むかないでおろしている。


これに、今日は、レシピを参考に、玉ねぎも1/4個ほど
おろして加えてみる。


これに、酒としょうゆを合せておく。


肉は4枚。まずは、筋切り。
これは、焼いたときの反り返り防止。


筋切り、と、いっているが、実際は、
脂身に切れ目を入れておく、ということになる。


全体、表裏に入れる。


軽く、片面に塩胡椒。


ここまで準備をして、水に放したキャベツを


ざるにあげておく。


フライパンを用意し、熱する。


油を少し敷いて、強火で焼く。
両面。


焼けたところで、油を一度、捨てる。


ロース肉は脂身が多いので、けっこう脂が出る、
のである。


街の巨匠もしていたが、そのままここにたれを入れると、
脂でギトギトになってしまう。


合わせておいたたれを入れ、煮詰めて、終了。


皿にキャベツを盛り付け、肉を並べ、フライパンの
たれをかける。


出来上がり。






ビール。


やっぱり、しょうが焼きには、ビールが欠かせなかろう。


ふむふむ、味は、まあまあ、で、あるが、
ちょっと、肉が厚かったか。


焼く前の厚みで、5mmを超えていた。
しょうが焼きとしては“もたついた”感じ。
厚めがよいといっても、5mmまでだったかもしれぬ。


今回も、思ったのだが、しょうが焼きというもの、
どうやっても、食えないものにはならない、ということ。


街の巨匠のレシピでもたれに入れるものも
細かいところでは、それぞれ違うし、肉に小麦粉を
ふってから焼くのもあり、いろいろ。


結局、これがベスト、というのは、ないのであろうし、
逆にいえば、どうやっても、それなりのものになる、
ということ。


で、今回、玉ねぎを入れてみた結果。
大量に入れたわけではないので、すぐには気が付かない、
微妙なところなのだが、香りが変わっていた。
この香り、ちょっとクセになるような、もの。
おもしろいかもしれない。