浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



上野・キムチ横丁・京城苑

dancyotei2012-02-20



2月10日(金)夜



引き続き、金曜日。



夜は、前からの予定で、会社の同僚と
上野キムチ横丁京城苑で呑み会。


19:30開始。


私は幹事ではないのだが、店のリコメンドは
私がした。


場所は上野。


オフィスは市谷だが、上野は帰る方向が便利な人も
少なくなく、賛同は得られやすい。
(むろん、浅草と上野の間の、元浅草に住む私には
地元ともいってよいところ。)


上野、あるいは御徒町界隈というのは、昔から焼肉やの
多い町。
今の大久保、新大久保よりも歴史的には古かろう。


中でも、キムチ横丁といっているところは
東京で最も古いコリアンタウンといってよいようである。


昭和23年あたりというから、焼け跡、闇市がルーツであろう。


上野というのは、今でもこの焼け跡、闇市に起源があるものは
たくさんある。アメ横闇市に起源だし、この界隈に多い
宝石関係の店も闇市から。
また、その宝石関連業者にはインド人が多いという
ことで、カレーやも上野御徒町には多い。
(そういえば、パチンコ台メーカーの東京支社(?)も
この界隈に集中している。これもなんらか関係ありそうである。)


上野御徒町は、都内でも有数の闇市といってよかろう。
かの渥美清氏もハイティーンの頃、ここ上野御徒町闇市で暴れていた、
という逸話も残っている。
闇市起源、やはりこれも、今の上野という街の一側面であろう。
(また、そこから上野は、多国籍な街にもなっていた。)



ともあれ。


上野、キムチ横丁であった。


場所は、御徒町駅から昭和通りを渡った向こう側。
昭和通りに沿って、コインパーキングが大きなスペースを占めているが
その奥。


焼肉やなどの店が軒を連ねている。
どの店も、小さく古いところが多い。


上野御徒町界隈では、こちらとは反対側、池之端湯島天神下のにも
焼肉やは多いのだが、どちらかといえば、池之端
の方が、豚バラの焼肉・サムギョプサルなどを看板にする、
今風の店が多いのかもしれぬ。


キムチ横丁の方は昭和のにおい満載、いや、闇市バラック
といってもいいかもしれぬが、そんなものを残している街。


中でも、私の通っている、京城苑はその代表選手かもしれぬ。
二階建ての小さな店。


下に調理場とテーブル2〜3の小座敷があり、
はしご段といってもよいような、急な階段であがった二階は
六畳ほど、で、あろうか。


19:30ちょうどに来てみると、お二階へと、小父さんと
お兄さん。(ここは親子でやっているよう。)


二階にあがると、我々は五人なのでテーブル一つ。
その他に、10数人の予約も入っているというが、こちらは
まだ集まっていない。


我々は、私がきて3人になったので、先に始めていることにする。


ビールをもらい、とりあえず、タン塩、カルビ、ロース、
キムチ盛り合わせ。


ここは無煙ロースターなどでもなく、炭火七輪でもなく、
ガスで、下に水を張る、昔からあるコンロ。
上着やコートは、においが付かぬよう、大きな袋に入れておき、
店が狭いので窓の外に出してある。)


タン塩もうまいのだが、他のたれ系の焼肉が
どれもうまい。
そのおおもとは、やはり、たれ、なのだと思う。


なんだか、とても、濃いたれ。


なにが濃いのか。
にんにくは強いように思うのだが、それ以外はよくわからぬ。


私も初めて食べたときには感じたのだが、
初体験の時には、誰でもそのディープさには
気が付くはず。


(見た目は、どこにでもある焼肉なので、写真はなし。
、、、ほんとは、撮り忘れ、、、なのだが。)


遅れて、一人、もう一人、とメンバーが揃ってくる。
その都度、新たに焼くものをオーダー。


そうそう、ここはトイレがなく、下へ降りて、
突っ掛けのサンダルを履いて、
寒い中、横丁の奥にある共同便所。
(これがまた、焼け跡。)



そして、マッコリ。





ここのものは、特に、格別。
香りがよい。


久しぶりに会った顔ぶれ、
やはり焼肉、とことん、呑まねば!。



と、いうわけで、しこたま食べて、呑んで、


会計は一人5000円ほど。
(まあ、安い、のではななかろうか。)


ぶらぶら歩いて、帰宅。



頭の先からつま先まで、身体の中も外も、
ズコーン、と、京城苑。



これがよい。







住所 東京都台東区東上野2丁目15-7
電話 03-3831-0654