浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



歌舞伎

團菊祭五月大歌舞伎 その1

まだまだ、連休。 5月5日(木) この連休は、一日内儀(かみ)さんと、歌舞伎見物に出かけた。 歌舞伎座、夜の部。 TVのニュースなどで、菊之助の長男の初お目見えが 報道されていたのをご覧になった方もあるかもしれない。 15時すぎ着物を着て、銀座三越…

初芝居・歌舞伎座・寿初春大歌舞伎 その4

1月3日(日) 歌舞伎座の初芝居。 最後の幕の「雪暮夜入谷畦道(ゆきのゆうべいりやのあぜみち)」を 書いている。 河竹黙阿弥翁の作品である。 以前にも紹介しているが『河竹黙阿弥の明治維新』(渡辺保・新潮社) という本がある。 江戸末期に活躍し「三人…

初芝居・歌舞伎座 寿初春大歌舞伎 その3

1月3日(日)引き続き、歌舞伎座の初芝居。今日は、最後の幕。〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜河竹黙阿弥 作四、雪暮夜入谷畦道(ゆきのゆうべいりやのあぜみち)直侍 浄瑠璃「忍逢春雪解」片岡直次郎 染五郎三千歳 芝雀暗闇の丑松 吉之助寮番喜兵衛 錦吾…

初芝居・歌舞伎座・寿初春大歌舞伎 その2

1月3日(日) 引き続き、歌舞伎座の初芝居。 幕開きは、踊り、所作事。 猩々(しょうじょう)。 オランウータンを漢字で書くと猩々だそうな。 ただ、この舞踊劇は、オランウータンではなく、 中国の古典に登場する酒好きな想像上の動物のこと。 ともあれ、申…

初芝居・歌舞伎座・寿初春大歌舞伎 その1

1月3日(日) 正月三日。 今日は歌舞伎座。 毎年、正月には歌舞伎を観に行くことにしている。 この正月は、東京では歌舞伎座、国立、新橋演舞場、 浅草の四座で演っている。 まあ、例年のことであろう。 このうちどこがよいか。 国立は毎度の通り、通しの上…

国立劇場12月歌舞伎公演 東海道四谷怪談 その3

12月6日(日) 引き続き「四谷怪談」。 昨日から、いろいろと考えてみたのだが、 結論からいうと、よくわからない。 なにがといって、鶴屋南北作品というものが、 で、ある。 その前にもう少し説明をしなければいけなかろう。 まず今回の「東海道四谷怪談」…

国立劇場12月歌舞伎公演 東海道四谷怪談 その2

12月6日(日)引き続き国立劇場の「四谷怪談」。作者の大南北先生のことを書いていた。南北先生は当時から、現代に至るまで超有名でありかつ、生世話=写実を完成させた等々、歌舞伎史的にも評価は絶大で、功績は大なのであろう。また実際の作品数も少なくな…

国立劇場12月歌舞伎公演 東海道四谷怪談 その1

12月6日(日) さて。 毎度ご退屈様ではあるが、歌舞伎、で、ある。 12月の国立劇場は「東海道四谷怪談」。 12月に“怪談”というのもいささか時候違い、季違いのような 気もするが、私はこの演目観たことがない。 「四谷怪談」はおそらくご存知ではない方とい…

歌舞伎座秀山祭九月大歌舞伎 通し狂言 伽羅先代萩 その5

9月22日(火)夜引き続き、「伽羅先代萩」観劇記その5。今日は「先代萩」の下敷きになっている歴史上の事件、伊達騒動をからめて、みてみたい。いわゆるお家騒動。江戸時代、いや、戦国時代にもあったか。武士の家では、大は将軍家、大名家から小は、江戸で…

歌舞伎座秀山祭九月大歌舞伎 通し狂言 伽羅先代萩 その4

9月22日(火)夜 「伽羅先代萩」観劇記その4。 昨日は観劇の評、らしきものを書いてみた。 なにぶん歌舞伎トウシロウのこと、的外れはご勘弁のほど。 さて。 今日は、ちょっと別の観点でこの芝居、あるいは、 伊達騒動の周辺のことを書いてみたい。 一つは…

歌舞伎座秀山祭九月大歌舞伎 通し狂言 伽羅先代萩 その3

9月22日(火)夜 週をまたいだが、引き続き歌舞伎「伽羅先代萩」。 前回、三幕目の御殿の場、 空腹の慣用句にもなっていた千松のことを 書いた。 この芝居は他にも見どころはあるのであろうが、 なんといってもここがポイント。 明治にこの上演形態になり、…

歌舞伎座秀山祭九月大歌舞伎 通し狂言 伽羅先代萩 その2

9月22日(火)夜 引き続き歌舞伎「伽羅先代萩」。 4時半開演で、終わったのが9時15分頃。 やはり、長丁場であった。 観終わって、まず第一番の感想は、 かなりわかりやすかった、ということであった。 お家騒動ものというのは大方想像できよう。 そう、正統…

歌舞伎座秀山祭九月大歌舞伎 通し狂言 伽羅先代萩 その1

9月22日(火)夜 さて。 なにもしない、と、書いたが、 一日だけ、芝居見物。 歌舞伎座の夜「伽羅先代萩」。 これ、あまりにも有名な芝居であるが、 私は初見。 観ていないのに特段の理由はないと思うのだが、 毎年一回程度はかかっており、たまたま芝居を観…

歌舞伎座三月大歌舞伎・菅原伝授手習鑑 その6

引き続き「菅原伝授手習鑑」の通し。昨日は最後の寺子屋の途中まで。 松王丸が妻千代と謀り、自らの子供を菅秀才の身代わりに、 首を差し出すということをしてのけていたのである。そして、松王丸も戻ってくる。なんでこんなことをしたのか。松王丸はこんな…

歌舞伎座三月大歌舞伎・菅原伝授手習鑑 その5

引き続き「菅原伝授手習鑑」の通し。 昨日は夜の部一幕目、車引で次は、賀の祝い。 この幕もあまり上演されない。 基本、車引と寺子屋だけなのである。 車引で、今度三つ子の父親の賀の祝いをするという話題が出ているのだが、 寺子屋はさらに賀の祝いの後の…

歌舞伎座三月大歌舞伎・菅原伝授手習鑑 その4

歌舞伎座三月大歌舞伎・菅原伝授手習鑑 その4「菅原伝授手習鑑」の通し、その4。 先週は序幕から道明寺まで。 これで昼の部が終了。 夜の部は、よく上演される、車引から。 昼の部の最後の、道明寺で菅原道真、菅丞相が 九州大宰府に流され、夜の部にはもう…

歌舞伎座三月大歌舞伎・菅原伝授手習鑑 その3

「菅原伝授手習鑑」の通し。 昨日は序幕の加茂堤と二幕目の筆法伝授まで今日は次の、道明寺という幕から。この幕は、長く複雑な筋だが、おもしろい。 なかなかよくできている。 「菅原伝授」というと、車引きや寺子屋ばかりが上演されているが この幕を演ら…

歌舞伎座三月大歌舞伎・菅原伝授手習鑑 その2

3月21日(土)引き続き「菅原伝授手習鑑」の通し。 〜〜 いつも歌舞伎見物のことをここに書く場合、あら筋は できるだけ書かないようにしてきたのであるが、 読者諸兄は、必ずしも歌舞伎をご覧になる方ではないと 思われ、特に今回のようにあまり上演されな…

歌舞伎座三月大歌舞伎・菅原伝授手習鑑 その1

3月21日(土)さて。 出張などあり慌ただしい一週間であったが、 今日は、北海道から出てきている内儀(かみ)さんのお母さんに 付き合って歌舞伎見物。 歌舞伎座の今月は昼夜で「菅原伝授手習鑑 (すがわらでんじゅてならいかがみ)」の通し。 通しと聞けば…

初芝居 国立劇場・新春歌舞伎公演 通し狂言 南総里見八犬伝 その3

1月4日(日) 国立劇場の歌舞伎「南総里見八犬伝」。 昨日は、発端、序幕、二幕目まで。 やはり犬塚信乃が主人公で、名刀村雨丸をめぐっての物語。 古河公方への献上ができず、追われて逃げる。 その間に、少しずつ八犬士が巡り会うという段取り。 二幕目の…

初芝居 国立劇場・新春歌舞伎公演 通し狂言 南総里見八犬伝 その2

1月4日(日) 引き続き、国立劇場の歌舞伎「南総里見八犬伝」。 幕開き。 まずは「発端(安房)富山山中の場」。 例の犬の八房と伏姫が籠(こも)る洞窟の場面。 原作がどうなのかわからないし、 私たちが視た人形劇の「新八犬伝」が どうだったのか覚えてお…

初芝居 国立劇場・新春歌舞伎公演 通し狂言 南総里見八犬伝 その

1月4日(日) 三が日が終わり、明日が仕事始めであるが、 今日は芝居を観に行く。 ここなん年も、正月は歌舞伎を観に行くことにしているが やはり、正月らしくてよいものである。 この正月は、都内でなんと四つもの劇場で 歌舞伎を演っている。 本家の歌舞伎…

團菊祭五月大歌舞伎 弁当

5月6日(水) 連休の歌舞伎見物。 せっかくなので、弁当も書いておこう。 先に書いた通り、いつもは歌舞伎座前の木挽町[辨松]で 買うのだが、この日はちょっと時間があったので、 銀座の三越の地下へ寄ってみた。 普段は、デパ地下で弁当を買うというと、 …

團菊祭五月大歌舞伎 その4

5月6日(水) 引き続き、連休の歌舞伎見物。 最後の演目に移る前に「極付幡随院長兵衛」の 浮世絵を出しておこう。 最後の幕の湯殿の場。幡随院長兵衛が水野十郎左衛門に槍突かれん としているところ。 絵師:周重 明治14年 東京春木座 幡随院長兵衛・九代目…

團菊祭五月大歌舞伎 その3

5月6日(水) ※今回「極付幡随院長兵衛」のお話の結末、いわゆるネタバレを 書いてしまうので、これから芝居を初見でご覧になろうという方は、 ご注意ください。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜 さて。 引き続き、連休の歌舞伎見物。 夜の部、「極付幡随院長兵衛」。 昨…

團菊祭五月大歌舞伎 その2

5月6日(水) さて、引き続き、五月の歌舞伎見物。 團菊祭、夜の部。 昨日は、最初の演目、歌舞伎十八番「矢の根」。 二つ目の演目は「極付幡随院長兵衛(きわめつけばんずいんちょうべえ」、河竹黙阿弥作。初演は明治14年。 黙阿弥先生の作品は、有名な白波…

團菊祭五月大歌舞伎 その1

5月6日(水) さて。 連休最終日。 歌舞伎座での歌舞伎見物。 最終日になってしまったのは、 直前に取ったため。 今月は、團菊祭ということで、團十郎と 菊五郎にちなんだ演目ということのようである。 昼が「毛抜」「勧進帳」「魚屋宗五郎」。 夜は「矢の根…

河竹黙阿弥の周辺 その2

さて。 今日は、昨日の続き。 黙阿弥のことを書こうと思ったら 自分のことを書いてしまった。 黙阿弥のことを書かなければいけない。 私が観た「三人吉三」にしても 先月の「浮名横櫛」にしても 盗人だったり、悪人を描き、揚げ句の果てには 兄妹の近親相姦…

河竹黙阿弥の周辺 その1

さて。 今日は、歌舞伎の作者河竹黙阿弥の周辺について 最近考えていることを書いてみたい。 先月、国立劇場で観た黙阿弥作の「處女翫浮名横櫛 (むすめごのみうきなのよこぐし)」という芝居の ことを書いた。 それ以来、いや、その前からずっとではあるが…

国立劇場三月歌舞伎公演 菅原伝授手習鑑〜車引 處女翫浮名横櫛 そ

国立劇場三月歌舞伎公演 菅原伝授手習鑑〜車引 處女翫浮名横櫛 その4 3月22日(土) 国立劇場の歌舞伎見物、4回目。「處女翫浮名横櫛(むすめごのみうきなのよこぐし)」 昨日は、二幕目、薩た峠一つ家の場、まで。これから、お富の強請(ゆすり)、赤間屋店…