浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。
 

断腸亭フィクション

野晒し その14

引き続き、断腸亭フィクションシリーズ。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 前回 このような実際の処分は随分あとのことになるが、裁きの方向がこんなもの であろうという見通しを話してくれた。 吉田与力の調べは迅速に行…

野晒し その13

引き続き、断腸亭フィクションシリーズ。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 前回 さて。 それから、柳治は緒方のご隠居とも相談し、八丁堀へ向かった。兄の源蔵に 会って今までの経緯を話すためである。 ことの顛末がわか…

野晒し その12

引き続き、断腸亭フィクションシリーズ。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 前回 十一 門跡裏の長屋へ戻って、今日の経過を緒方の隠居に話し、明日にでも[難波 屋]へ二人でいってみることに相談がまとまった。柳治一人で…

野晒し その11

引き続き、断腸亭フィクションシリーズ。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 前回 十 さて。 嫌がらせをした料理屋と、なると向島の目明し、九蔵だ。九蔵にあたってみる のが最も適切であろう。 柳治はまだ日のあるうちにと…

野晒し その10

結局、一週間続けてしまったが、こうなったら、お仕舞まで 続けようか。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 前回 井川が柳治を連れて入ったのは駒形堂の先のうなぎや[前川]。大川に面し、 専用の舟着きもあり、舟でくる客…

野晒し その9

前回に引き続き今日も、フィクションのつづき。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜前回 「見てごらん。汚れてはいるが、形そのものはきれいなもんじゃ」 「そうか。なるほど、そういえばそうですよね。 筧さんもいい加減な…

野晒し その8

前回に引き続き今日も、フィクションのつづき。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 前回 「でも、最初に骨が見つけられてから、あの入堀は皆さん捜されて、それから まだ半月ほどでその間、大水のようなものもない」 「そう…

野晒し その6

前回に引き続き今日も、フィクションのつづき。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 前回 開けてみると、やはり、髑髏。頭の骨、で、ある。 手を入れて、そーっと、骨を出してみる。五平が慌てて、「馬鹿お前、見るだけって…

野晒し その5

前回に引き続き今日も、フィクションのつづき。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 前回 「仲がいいのね」 と、二人のやり取りをきいていたお駒。 「腐れ縁だよ」 五 お駒が母と住む阿部川町は、下谷方向に新堀川を渡ったと…

野晒し その4

間があいたが、またまた、断腸亭フィクション習作のつづき。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 前回 中入り前の中トリは春風亭栄枝(えいし)。柳治とは同い年だが こやつは真打。師匠は柳枝(りゅうし)。柳枝というのは…

野晒し その3

三 ここから、再び大川の土手に戻り、きた道を引き返す。 吾妻橋を渡り返し、渡って右側に[東橋亭]という寄席はある。 噺(落語)専門というわけではないが、場所柄、お客のよく入る席で、 格としては高い方であろう。 この五月の上席(上旬のプログラム)…

野晒し その2

二 この日、柳治は、吾妻橋の寄席、東橋亭(とうきょうてい)で出番があった。 寄席の昼の興行、いわゆる昼席の四番目。時刻としては八つ(午後二時)頃。 小半時(こはんとき)も前に楽屋に入っていればよい。 柳治は先ほどのお玉の話がどうも気になってい…

野晒し その1

さて。 毎度、断腸亭料理日記ご愛読ありがとうございます。 唐突なようではありますが、今日から小説というのか、 まあ、フィクションを少し配信しようと決めました。 一先ず、数回分。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 野晒し …